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【WEB広告運用者必見】広告文(タイトル・説明文)の改善方法を徹底解説

1.はじめに

リスティング広告の効果を高めるために広告文は定期的に見直していく必要があります。
しかし、体系的に改善方法を解説した記事はあまり見当たりませんでしたので、
このたび執筆させていただきました!

今回はこちらの記事の続きとなっております!
(以下の記事を読んでいない方はまずはこちらをご覧ください。)
【広告文作成の教科書】リスティング広告・広告文作成のコツと手順を分かりやすく解説!

【広告文作成の教科書】リスティング広告・広告文作成のコツと手順を分かりやすく解説!

今回はGoogle検索広告・Yahoo検索広告において主流となっているレスポンシブ検索広告の改善方法をまとめています。

今回の記事の内容を日々の運用に活かしていただけると幸いです。

2.「ABテスト」の考え方を理解しよう!

一つの広告グループ内で同時に2種類以上の広告を配信することで、
良し悪しを判断してPDCAを回していくことができます。
こうした検証方法を一般的には「ABテスト」と呼びます。

ABテストを実施する際のポイントを整理しておきましょう。

 ①変数は一つに絞る

ABテストの際には変数を一つに絞る必要があります。

例えばダメな例。

(ダメな例)レスポンシブ検索広告のABテスト
パターンA:広告見出し1~5を位置1に固定&説明文1~2を位置2に固定
パターンB:広告見出し1~5を位置2に固定&説明文1~2を位置1に固定
⇒テストの結果パターンAのパフォーマンスが良いことがわかった。

パターンAのほうが良い結果であることはわかりましたが、「広告見出しの位置」「説明文の位置」の2つの変数によってパフォーマンスに差が生じていることがわかります。
この場合どちらの変数がパフォーマンスにプラスの影響を与えたのかがわかりにくい状態です。

したがって、次のように変数を一つに絞ることで有用な結果を得られます。

(良い例)レスポンシブ検索広告のABテスト
パターンA:広告見出し1~5を位置1に固定&説明文は位置固定しない
パターンB:広告見出し1~5を位置2に固定&説明文は位置固定しない
⇒テストの結果パターンAのパフォーマンスが良いことがわかった。

こうすることで「広告見出しの位置」という一つの変数によってパフォーマンスの良し悪しを判断することができます

パターンAのパフォーマンスが良いということであれば「広告見出し1~5を位置1に固定する」というポイントを軸に、別の変数を加えてABテストを行います。

これを繰り返していくことで広告をブラッシュアップしていくことができます。

 ②インパクトの大きなポイントを変数にする

時間短縮のためにもインパクトの大きな要素からテストしていくことをおすすめします。

例えば、

・広告見出しを固定する or 固定しない
・広告見出しを位置1に固定 or 位置2に固定
・広告見出しにキーワード挿入機能を使用する or 使用しない
・表示頻度の多い広告見出しを使用する or 使用しない
・説明文を固定する or 固定しない
・説明文を位置1に固定 or 位置2に固定

といった要素になります。(*詳細については後の章で解説します。)

 ③ABテストに必要なサンプル数を事前に理解しておく

ABテストを始める前に「A/Bテストに必要な標本数 (サンプル数)」を把握しておく必要があります。様々な方法で算出することができるのですが、ここでは、ClinCalcが提供する計算ツール「Sample Size Calculator」(https://clincalc.com/stats/samplesize.aspx)を紹介させていただきます。

入力方法ですが、
「Study Group Design」は左側の「Two independent study groups」を選択、
「Primary Endpoint」も左側の「Dichotomous(yes/no)」を選択、
「Anticipated Incidence」の「Group 1」には現在のCV率、
「Group 2」には希望するCV率を入力します。
「Calculate」をクリックすると、「RESULTS」に結果が表示されます。
(各選択肢の意味について理解しようとすると統計学の専門知識が求められるためここでは割愛します。)

例えば、今回は「Group 1」に1%、「Group 2」に2%と入力した場合ですが、
1グループあたり2,318回の流入が必要、ということになります。

このツールでサンプル数を算出しておくことで有意なテスト結果を得ることができます。
ただし、仮のCV率を入力するわけですが、この数字の結果によっても結果が大きく異なるためあくまで目安として考えるべきです。

また、このツールの結果を踏まえようとすると、必要なサンプル数が膨大で「ABテストをなかなか終えられず数ヶ月を必要とする」ということにもなりかねません。

したがって、目安としては広告予算100万円以下で運用する場合には、
「1ヶ月~2ヶ月程度でテストを終える」といったように定性的な期間を設けてPDCAを回していく、
というのが分かりやすくて良いかと思います。

3.広告文の分析の手順を理解しよう!

次に実際の管理画面を使って広告文分析の流れを解説します。
大まかには以下の通りです。

①広告のパフォーマンスを比較する
②アセット分析を行う
手順1:アセットの組み合わせをチェック
手順2:アセット別の表示回数をチェック
手順3:アセットの傾向をまとめる

 ①広告のパフォーマンスを比較する

基本的には目標KPIの指標を軸に分析を行います。
「獲得単価」を目標KPIとしている場合には「コンバージョン単価」の指標を、
「クリック単価」を目標KPとしている場合には「クリック単価」の指標を比較
します。

例えば、サンプル数が少ないですが、
1ヶ月間という期間を設けて分析した広告を例に説明します。
こちらの広告は獲得単価をKPI目標にしている広告です。

(例)広告管理画面

上の広告を「広告A」、下の広告を「広告B」とします。

まず、獲得単価を比較すると「広告A」は4,968円、「広告B」は19,392円となっており「広告A」のほうが圧倒的に優秀であることがわかります。

さらに、表示回数・クリック率・クリック単価など他のどの指標においても、
広告Aの方が優秀です。

上記の例は非常に分かりやすいものとなっていますが、
1.基本的には目標KPIの指標を比較
2.目標KPIでは大きな差が見られない場合は「表示回数」「クリック率」「クリック単価」など他の指標を比較

といった流れで分析を進めてABテストの結果を判断します。

 ②アセット分析を行う

レスポンシブ検索広告は、
・ユーザーの検索語句との関連性の高さでどの広告見出し、説明文が表示されるかが決まる
・クリック率の高いアセットほど優先的に表示される

といった傾向があります。
この傾向を踏まえて広告見出し・説明文のアセット分析を行っていきます。

手順1:アセットの組み合わせをチェック

まず、結果の良かった広告の「アセットの詳細を表示」をクリックして、
「広告がユーザーにどのように見えていたのか」を分析していきます。

すると「アセット」と「組み合わせ」という2つのタブが選べますので
「組み合わせ」をクリックします。

するとこういった画面に切り替わります。

広告見出しと説明文の組み合わせで表示回数の多いパターンを把握することができます。
大抵の場合、特定の広告見出しと説明文ばかりが表示されて、偏りが生まれることがほとんどです。

上記の例は、過去に弊社で配信していた、
マーケティングスクールの生徒を募集する広告のアセットになります。

【広告見出しの分析】
広告見出しは全部で10種類登録していましたが、
「働きながらでも学べる環境を準備」「40代から学べるWebマーケ講座は」「【{keyword:Web広告をイチから学ぶ}】なら」「【実践型】Webマーケを学ぶなら」
の4種類ばかりが違った組み合わせで表示されています。

また、「働きながらでも学べる環境を準備」「【実践型】Webマーケを学ぶなら」は位置1で頻繁に使われていて、「【{keyword:Web広告をイチから学ぶ}】なら」「40代から学べるWebマーケ講座は」は位置2で頻繁に使われている、という傾向が読み取れます。

【説明文の分析】
説明文も全部で4種類登録していましたが、
「マーケティングスキルを学べるのは…」「マンツーマンの講座は夜間や土日の…」
という2種類ばかりが表示されている状態になっています。

また、「マーケティングスキルを学べるのは…」が位置1、「マンツーマンの講座は夜間や土日の…」が位置2で表示されているという傾向が読み取れます。

手順2:アセット別の表示回数をチェック

こうした傾向を踏まえた上で、「アセット」をクリックしてアセット別の表示回数をチェックします。

広告見出し別の表示回数は、
「40代から学べるWebマーケ講座は」→ 1,412回
「働きながらでも学べる環境を準備」→ 1,386回
「【{keyword:Web広告をイチから学ぶ}】なら」→ 895回
「【実践型】Webマーケを学ぶなら」→ 780回
その他6種類→ 14回~249回

説明文別の表示回数は、
「マーケティングスキルを学べるのは…」→ 2,380回
「マンツーマンの講座は夜間や土日の…」→ 1,760回
その他2種類→ 42~43回

といった結果になっていることが読み取れます。

手順3:アセットの傾向をまとめる

手順1、手順2の分析を通じて読み取れる傾向をまとめていきます。

【広告見出しの傾向】
①「40代から学べるWebマーケ講座は」がもっとも多く表示されている。
②「働きながらでも学べる環境を準備」が2番目に多く表示されている。
③「【{keyword:Web広告をイチから学ぶ}】なら」が3番目に多く表示されている。
④「【実践型】Webマーケを学ぶなら」が4番目に多く表示されている。
⑤上記4つ以外の広告見出しはほとんど表示されていない。
⑥「働きながらでも学べる環境を準備」「【実践型】Webマーケを学ぶなら」は位置1で頻繁に使われている。
⑦「【{keyword:Web広告をイチから学ぶ}】なら」「40代から学べるWebマーケ講座は」は位置2で頻繁に使われている。

【説明文の傾向】
⑧「マーケティングスキルを学べるのは…」「マンツーマンの講座は夜間や土日の…」という2種類が頻繁に表示されている。
⑨上記以外の広告はほとんど表示されていない。
⑩「マーケティングスキルを学べるのは…」は位置1で頻繁に使われている。
⑪「マンツーマンの講座は夜間や土日の…」は位置2で頻繁に使われている。

こちらの傾向を踏まえてPDCAを回していきます。

4.広告のPDCAの回し方を理解しよう!

先程の結果を踏まえて次なるABテストの改善策を検討していきます。
具体的には分析結果をもとに「どのポイントを変数にするのか」を検討します。

「2.「ABテスト」の考え方を理解しよう!」で解説しましたが、
ABテストの変数としては以下のポイントが効果的です。

・広告見出しを固定する or 固定しない
・広告見出しを位置1に固定 or 位置2に固定
・広告見出しにキーワード挿入機能を使用する or 使用しない
・表示頻度の多い広告見出しを使用する or 使用しない
・説明文を固定する or 固定しない
・説明文を位置1に固定 or 位置2に固定

前述の広告の例を使って解説すると

【広告見出しの傾向】
①「40代から学べるWebマーケ講座は」がもっとも多く表示されている。
②「働きながらでも学べる環境を準備」が2番目に多く表示されている。
③「【{keyword:Web広告をイチから学ぶ}】なら」が3番目に多く表示されている。
④「【実践型】Webマーケを学ぶなら」が4番目に多く表示されている。
⑤上記4つ以外の広告見出しはほとんど表示されていない。
⑥「働きながらでも学べる環境を準備」「【実践型】Webマーケを学ぶなら」は位置1で頻繁に使われている。
⑦「【{keyword:Web広告をイチから学ぶ}】なら」「40代から学べるWebマーケ講座は」は位置2で頻繁に使われている。

【説明文の傾向】
⑧「マーケティングスキルを学べるのは…」「マンツーマンの講座は夜間や土日の…」という2種類が頻繁に表示されている。
⑨上記以外の広告はほとんど表示されていない。
⑩「マーケティングスキルを学べるのは…」は位置1で頻繁に使われている。
⑪「マンツーマンの講座は夜間や土日の…」は位置2で頻繁に使われている。

といった傾向が読み取れたわけですが、
どこかのポイントを変数としてABテストを行います。

例えば、

■パターン1■
①に注目して、
広告A:変更を加えない
広告B:「40代から学べるWebマーケ講座は」という広告見出しを別のものに差し替える

■パターン2■
②に注目して、
広告A:変更を加えない
広告B:「働きながらでも学べる環境を準備」という広告見出しを別のものに差し替える

■パターン3■
③に注目して、
広告A:変更を加えない
広告B:「【{keyword:Web広告をイチから学ぶ}】なら」という広告見出しを別のものに差し替える

■パターン4■
⑤に注目して、
広告A:変更を加えない
広告B:頻繁に表示されていない6種類を全て別の広告見出しに差し替える

■パターン5■
⑥と⑦に注目して、
広告A:「働きながらでも学べる環境を準備」「【実践型】Webマーケを学ぶなら」を位置1に固定&「【{keyword:Web広告をイチから学ぶ}】なら」「40代から学べるWebマーケ講座は」を位置2に固定
広告B:「【{keyword:Web広告をイチから学ぶ}】なら」「40代から学べるWebマーケ講座は」を位置1に固定&「働きながらでも学べる環境を準備」「【実践型】Webマーケを学ぶなら」を位置2に固定

■パターン6■
⑨に注目して、
広告A:変更を加えない
広告B:頻繁に表示されていない2種類を別の説明文に差し替える

■パターン7■
⑩⑪に注目して、
広告A:「マーケティングスキルを学べるのは…」を位置1に固定
広告B:「マーケティングスキルを学べるのは…」を位置2に固定

といった様々なパターンが考えられます。

ここで考慮しておかなければならないのが、
「レスポンシブ検索広告において表示回数が多いアセット=コンバージョンが良くとれるアセット」というわけではない、ということです。

前述の通りレスポンシブ検索広告は、
・ユーザーの検索語句との関連性の高さでどの広告見出し・説明文が表示されるかが決まる
・クリック率の高いアセットほど優先的に表示される
といった傾向があります。

言い換えるとは、
アセットの決定にコンバージョン率という要素が十分に反映されていない可能性があるという点を念頭に入れておかなければならず、
「表示回数の多いアセットがコンバージョン率を引き下げている可能性すらある」
という仮説のもとで運用していく必要があります。

弊社のクライアント様で実際にあった事例を交えて解説します。

過去の事例

行政手続きの申請を代行する士業を営む弊社クライアント様の広告において、
以下のようなタイトルばかりが表示されたケースがありました。

*とある行政手続きの申請代行サービスの集客を目的とした広告

「〇〇業界の裏事情までわかります」というタイトルはキャッチーで目を引くものとなっており、クリック率が高く表示回数が極端に多くなっていました。

しかし、
「〇〇業界の裏事情を暴露するブログ記事なのでは」と誤認したユーザーが流入
⇒その結果「申請代行を依頼したい」というニーズとは噛み合わないユーザーの無駄クリックを誘発
⇒獲得単価の悪化を招く
という仮説が成り立つと考えました。

そこで、
広告A:「〇〇業界の裏事情までわかります」というタイトルを使った従前の広告
広告B:「〇〇業界の裏事情までわかります」を削除&「〇〇の申請代行なら」「〇〇申請ならお任せ」といった広告の主旨が伝わるものを位置1に固定

といったかたちでABテストを実施しました。

その結果、
広告Bの獲得単価が広告Aを下回るかたちとなり、「〇〇業界の裏事情までわかります」という広告見出しがパフォーマンスの悪化を招いていたことがわかりました。

このように、レスポンシブ検索広告のアセットはコンバージョンを目的とした広告の場合には最適な状態となっていない可能性があることを、念頭にいれておく必要があります。

レスポンシブ検索広告の性質を十分に理解した上でPDCAを回していくようにしましょう。

5.まとめ

広告文の改善方法・PDCAの回し方について徹底的に解説させていただきました!

レスポンシブ検索広告はユーザーに合わせて最適な組み合わせで表示されるため非常に使い勝手の良い優秀な広告媒体ですが、ABテストを繰り返しブラッシュアップしていくことでより洗練されたものなっていきます。

今回ご紹介した方法でPDCAを回していき、広告効果の最大化を目指してください。

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北澤陽介

都市銀行での営業、社会保険労務士法人での中小企業のコンサルティングの経験を経てSTAR株式会社に入社。現在は年間約1億円規模のGoogle・Yahooリスティング広告やMeta広告などSNS広告の運用に携わる傍ら、WEB広告のインハウス化支援サービスの事業責任者も務める。

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