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「AIでここまでできる!広告バナー制作の新常識」 〜マーケターが知っておくべきAI活用術〜

1. はじめに 「AI × バナー制作」について

なぜ今「AI × バナー制作」なのか?
「バナー制作に時間がかかりすぎる…」
「デザインやコピーに自信がない…」
「外注したけど、イメージと違うものが仕上がった…」

広告クリエイティブに携わる多くの方が、こうした悩みを抱えています。実は私たちも同じ課題を経験してきました。

ですが今、その悩みはAIの活用によって大きく変わろうとしています。
AIなら、コピーのアイデア出しから画像生成まで、まるでプロに任せたようなクオリティのバナーを短時間で、しかも何度でも簡単につくることが可能です。

「プロに任せたような」と聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、たとえば──

✔ ターゲットの心に響くキャッチコピーがスッと出てくる
✔ 思わず目を引くデザインやレイアウトが簡単に作れる
✔ 自分の意図がきちんと反映された、伝わるクリエイティブになる

そんなことができたら、魅力的だと思いませんか?

本記事では、AIを使ったバナー制作の手順・プロンプトのコツをわかりやすく解説します。
「制作にかかる時間とストレスを減らしたい」「もっと効果の出るバナーをつくりたい」そんな方にとって、業務効率化成果向上を両立するヒントになるはずです。

2. バナー制作の課題とAI活用の意義

バナー制作の課題とAI活用の意義
従来のバナー制作は、人手や外注に頼るため、制作に時間とコストがかかりがちでした。さらに、完成したクリエイティブがイメージと異なったり、修正に手間がかかったりと、マーケティング現場では多くのストレスが発生していました。特に、A/Bテストを回すスピードが遅れれば、PDCAが滞り、広告の成果にも影響を与えてしまいます。
「社内でキャッチコピーを考える→外注デザイナーに発注→何度かのやり取り→納品」
という流れを踏んでいましたが、AIツールを導入することで、
「ChatGPTでコピーと構成案を作成→画像を生成→配信」
というたった30分の作業に短縮されました。さらに、複数パターンを簡単に作れるので、テスト設計も楽になり、改善サイクルが圧倒的に早くなったのです。

つまり、 AIを活用すれば、これまでボトルネックだった「制作にかかる時間」と「PDCAの遅延」を一気に解消できます。マーケターが本当に注力すべき“戦略”に時間を使えるようになるのが、AI活用の大きな意義です。

3. 実践!AIでバナーを作るステップバイステップ

「AIで本当にバナーが作れるの?」と思った方もご安心を。ここでは、初心者でも再現できる具体的な手順を、プロンプト例つきでご紹介します。
マーケティングの成果を高めるバナーをつくるには、ただ画像とテキストを組み合わせるだけでは不十分です。
大切なのは、商材の強みを正しく伝える設計と、狙いを持ったクリエイティブ。
それをAIがサポートしてくれる流れを、5つのステップでご紹介します。
AIでバナーを作る5つのステップ

Step1:目的とターゲットをAIと一緒に明確にする

まずはバナーの「役割」をはっきりさせましょう。何を伝え、誰に届けたいのか?
ここでChatGPTに該当のLPや商品ページのURLや文章を読み込ませると、AIが商材の特徴やターゲット像を整理してくれます。
この情報をもとに、訴求ポイント(強み)も抽出。考える時間が一気に短縮されます。

【実際のプロンプト例】
以下のURLをもとに、サービス内容を要約してください。
URL:「https://○○○○」
(※URLが読み込めない場合は、ページテキストやスクショを貼り付けてください)

この情報をもとに、広告バナー作成を進めます。まずは商材の強みとターゲット像を整理してください。

Step2:キャッチコピーをAIで生成する

ターゲットと強みが整理できたら、次はキャッチコピー。
ChatGPTに「ターゲットは○○、訴求ポイントは△△」と伝えるだけで、複数のコピー案を一瞬で提案してくれます。
「もっと感情に刺さる表現で」「数字を入れて訴求して」などの指示も可能なので、ブラッシュアップも自在です。

【実際のプロンプト例】
このサービスの魅力を伝えるキャッチコピーとバナーのアイデアを10個考えてください。
感情に訴える表現や数字を活用してください。※画像生成はまだ行わないでください。

Step3:画像やイラストをAIで作成・調整する

次はビジュアル制作です。
先ほどの回答を引用し、画像を生成してもらいましょう。

【基本的なプロンプト例】
正方形の広告バナーを作成してください。
キャッチコピー:「○○○○」
ターゲット:「30代女性/子育て中」
雰囲気:「落ち着いたトーンで、信頼感があるデザイン」

💡補足:テキスト入り画像が作れるのは、現時点ではChatGPTだけ!
多くの画像生成AIは、ビジュアルの表現力には優れている一方で、画像内に意図したテキスト(キャッチコピーやメッセージなど)を正確に描画することは、現時点ではほぼ不可能です
その点、ChatGPTに搭載されているDALL·Eは、キャッチコピー入りの画像を自然に生成できる唯一のツールです(2025年6月現在)。
本記事で紹介している“バナー形式”の画像生成が実現できるのは、この機能があるからこそ。
他ツールとの違いとして、ぜひ押さえておきましょう。

Step4:画像生成の応用編【上級テク】

さらに効果的に画像を作りたいときは、以下のようなテクニックが有効です。

方法①:ゼロから生成
「清潔感のある30代女性がスマホを操作しているイラスト」など、イメージをそのままプロンプト化。

方法②:参考バナーを読み込ませる
競合や過去バナーをアップロードして「この雰囲気でオリジナル画像を生成して」と指示します。

方法③:部分修正によるブラッシュアップ
画像は生成後、「選択 → 修正したい箇所を塗る → 再生成」といった操作も可能です。
「この画像、50点だから100点に近づけて」というようなプロンプトも有効です。

【応用プロンプト例(テンプレ)】
LPのメインビジュアルを制作してください。添付した画像はあくまで参考です。完全に模倣するのではなく、以下の要素を組み合わせてオリジナルの画像を生成してください。
■ キャッチコピー:
【ここにキャッチコピーを入力】
■ ターゲットユーザー:
【例:30代、子育て中の女性】
■ 画像で伝えたいコンセプト:
【例:忙しい毎日でも、自分を大切にする時間を取り戻せる喜び】
■ 構成要素:
雰囲気・テイスト:【例:温かみがあり、落ち着いた雰囲気】
人物:【例:30代の日本人女性、自宅のリビングでくつろいでいる、優しい笑顔】
構図:【例:人物を中央に配置し、背景は少しぼかす。キャッチコピーは上部に】
カラー:【例:ベージュやアイボリーを基調としたナチュラルカラー】
光:【例:間接照明のような、柔らかく暖色系の光】
禁止事項:【例:参考画像の人物や服装は使用しないこと。電子機器が写り込まないようにすること。】

Step5:複数パターンを作成し、A/Bテストへ

せっかくAIを使うなら、1案だけで終わらせるのはもったいない!
キャッチコピーや色味、画像を少し変えたバリエーションを複数作って、広告運用でのA/Bテストに活用しましょう。改善サイクルが速くなることで、パフォーマンスの最大化につながります。

4. 実際に作ってみた!AIバナー制作の実例

ここからは、実際にChatGPの画像生成機能を使ってバナーを作成した一連の流れをご紹介します。
プロンプトの工夫やAIとの対話によって、どのように仕上がりが変化していくのかが見えてくるはずです。

■ 仮想プロジェクト設定
まずは、わかりやすく以下のような仮の企業を設定しました。

企業名:ONO COFFEE(オノ・コーヒー)
業種:自家焙煎コーヒーの定期便サービス
ターゲット:在宅ワーカーや感度の高い30代の男女
ブランドコンセプト:「わたしに還る、1杯の時間」
ビジュアルテイスト:温もりある木目背景 × くつろぎのある風景  

STEP1|初回プロンプト → 画像A

【入力プロンプト(抜粋)】
LPのメインビジュアルを制作してください。
キャッチコピー:「わたしに還る、1杯の時間。」
雰囲気・テイスト:木のぬくもりやファブリックの柔らかさ
構図:テーブル上のコーヒーカップを主役に、横構図・斜め視点
禁止事項:人物・電子機器はNG
 ※参考イメージも添付しています。

◆画像A(初回生成)
説明文

雰囲気はあるものの、主役であるコーヒーの存在感が弱く、やや印象に欠ける仕上がりに。

STEP2|AIへフィードバック → 画像B

【再指示プロンプト】
この画像を50点として、100点に近づけてください。

◆画像B(再生成)
説明文

コーヒーの存在感が少し強化されたものの、空間演出に工夫の余地が残る。

STEP3|なぜ50点?改善点をヒアリング

【プロンプト】
この画像が50点である理由と、100点にするための具体的な工夫点を教えてください。

▼50点の理由
コーヒーが視覚的に主役になりきれていない
奥行きや空気感が乏しく、情緒が平坦
小物の配置に“作為感”があり、自然なストーリー性に欠ける
▼100点に近づけるための工夫
真上からの構図で、1杯のコーヒーの存在感を強調
生活感ある小物(本、ファブリック)で物語性を演出
木目や陰影を丁寧に描写し、温かく落ち着いた世界観を強化

AIからこのような回答内容(要約)が返ってくるので、この時点でAIの提案を踏まえて改善ポイントの意識合わせを行います。

STEP4|工夫点を踏まえ再生成 → 画像C

【修正プロンプト】
100点を目指すための具体的工夫を踏まえて再度画像を生成してください。

◆画像C(再生成)
説明文
光と色の調整、配置バランスが改善され、一気に完成度が高まった印象。

STEP5|さらにブラッシュアップ

【プロンプト】
この画像は80点です。
あと20点を引き上げるにはどこを調整すべきか、訴求力・デザイン性の観点で教えてください。

→ このやり取りを繰り返すことで、納得感ある仕上がりに近づけていきます。

他ジャンルでも応用可能!アロマ画像の比較事例

今回のコーヒーバナーと同様のプロセスで、「アロマ」をテーマにした画像制作も試してみました。
プロンプトの微調整によって、印象や世界観がどのように変化するかを3パターンで比較したものが下記です。
説明文

まとめ|AIとの対話でプロ品質に近づく

AIを使ったバナー制作でも、生成 → フィードバック → 再生成というサイクルを丁寧に回すことで、プロ並みのビジュアルを実現できます。
特におすすめしたいのは、「なぜこの画像は◯点なのか?」をAIに聞くこと。
これにより、改善視点そのものを学べるのも大きなメリットです。

5. AIバナー制作のコツと注意点

AIを使えば、短時間でクオリティの高いバナーを作れるようになります。
ただし、「誰でも簡単に使える」からこそ、注意すべきポイントもいくつかあります。知らずに使うと、著作権やブランドイメージに関わるトラブルにつながることもあるため、以下をぜひ意識しておきましょう。

AI画像でも「著作権・類似性」には注意!

多くのAI画像生成ツールでは、「商用利用可」「著作権フリー」とされていますが、完全にリスクがゼロというわけではありません。

特に以下のケースには注意が必要です:
既存の有名キャラクター・ブランドに酷似している
競合他社のバナーや写真に類似している
実在の人物の肖像権に触れるような表現が含まれている

画像が他社のクリエイティブにあまりに似ていた場合、模倣や盗用と受け取られるリスクがあります。万が一指摘を受ければ、広告の差し替えや企業イメージの毀損につながる可能性も。

対策としては:
画像生成時に「既存キャラやブランドに似せない」とプロンプトで明記
生成後はGoogle画像検索などで類似画像チェックを行う
不安な場合は、AI画像×自社撮影素材の組み合わせでオリジナリティを出すのも◎

「使い方次第」で仕上がりは変わる

AIはあくまでアシスタント。
質の高いバナーに仕上げるためには、マーケティング視点を持った設計が不可欠です。

・キャッチコピーは「誰に何を伝えるか」を意識して生成
・配色やレイアウトは、ブランドトーンに沿って調整

「なんとなくいい感じ」ではなく、「何を訴求したいか」を明確に持つ。
AIに丸投げするのではなく、共創する感覚で取り組むと、より伝わるクリエイティブになります。

利用規約と出典表記にも目を通そう

ツールによっては「商用利用OK」の範囲が異なります。

・無償プランと有料プランで利用条件が違う場合あり
・クレジット表記が必要なケースも
・画像の販売・二次利用に制限があることも

たとえば、Adobe Fireflyは商用利用OKと明示されていますが、他のツールでは生成物の再販がNGな場合もあります。使用前に利用規約を一読しておきましょう。

社内共有やクライアント利用時は「生成元」を明確に

社内での再利用やクライアントワークで使用する際は、どのAIツールで、どう生成したかを記録しておくと安心です。
トラブル回避だけでなく、ナレッジ蓄積や品質管理にも役立ちます。

AIを使えば、広告バナー制作は確実にラクになります。
ただし、「簡単に作れるからこそ、注意すべき点もある」という意識を持つことが、長く安心してAIを使いこなす鍵です。

6. まとめ 「作業の時短」だけでなく「マーケの強化」になる

ここまでご紹介してきたとおり、AIを活用したバナー制作は、単なる時短ツールではありません。
戦略的に使えば、誰でも成果につながるクリエイティブをスピーディに生み出せる武器になります。

商材の理解からコピー作成、画像生成、A/Bテストまで——
本記事でご紹介した流れを実践すれば、外注に頼らず、自社のペースで効果的なバナーを量産できる環境が手に入ります。

広告制作の「手間」に悩むのではなく、「伝わる表現」をつくるマーケターとしての時間に集中できる。
そんな理想的な働き方を、AIが支えてくれる時代が、すでに始まっています。

まずはひとつ、試してみてください。
想像以上に、バナー制作の世界が変わるはずです。

7. 成果につながるAI活用、学びませんか?

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中田果奈

WEB業界へ未経験で飛び込み、AIを活用したマーケティングの可能性を日々探求中。2児の母として育児と仕事に全力で向き合う日々ですが、その経験も力に変え、新たな価値創造に挑み続けています!

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