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【わかりやすく解説】Meta広告の「情報収集期間」とは?最適化のポイントを徹底解説!

1.はじめに

Meta広告を運用している方であれば情報収集期間というフレーズを目にしたことがあると思います。Meta広告は機械学習が非常に優秀な媒体として有名ですが、その機械学習を最適化させるためには情報収集期間という言葉の意味を十分に理解しておく必要があります。

今回は情報収集期間という言葉の意味とMeta広告の運用を最適化させるために気をつけるべきポイントについて分かりやすく解説します。

2.情報収集期間とは?

まず大前提となる知識ですが、Meta広告の機械学習は「広告セット単位」で行われます。この後の解説も全てこれを前提としていますので、ここは外さずに押さえておいてください。

その上で情報収集期間とは、配信システムが広告セットのデータを元に機械学習を実行する期間のことです。

Metaの配信システムは広告主の目標に向かって最適な結果が得られるよう学習する設計になっています。

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北澤

例えば、キャンペーンの目的が「トラフィック」の場合は「クリック数を最大化させる」という目標になりますし、キャンペーンの目的が「売上」の場合は「獲得数を最大化させる」という目標になります。

配信システムは表示対象として最適な人、広告を表示すべき時間帯、使用すべき配置とクリエイティブ、などについて学習を重ねていきます。この学習期間が情報収集期間です。

情報収集期間中は、広告セットの最適な配信方法を検証するために、さまざまなターゲットや配置への広告配信を積極的に行いますのでパフォーマンスは不安定になります

Meta社によると、情報収集期間を終えた広告セットでは、情報収集期間を終えられなかった広告セットよりも、CPAが平均で19%低くなったという分析結果も出ています。

また、情報収集期間中の消化金額を全体の20%未満に抑えた広告主は、情報収集期間中の消化金額が全体の50%を超えていた広告主よりもCPAが68%低い、というデータも公表されています。

したがって、情報収集期間中は本領が発揮されていない状態となりますので、なるべく早く終えられるように工夫する必要があります。

3.情報収集期間かどうかの見極め方

広告セットが現在進行系で情報収集期間かどうかを見極めるために配信ステータスの理解が欠かせません。広告セットの階層で「配信」という指標を表示することで現在のステータスを確認することができます。
*広告セットの配信ステータス

配信ステータスは「キャンペーン:オフ」「情報収集が不十分」「情報収集中」「アクティブ」の4種類に分類されます。

キャンペーン:オフ
キャンペーンの配信設定がオフの状態を意味します。キャンペーンをオンにすることで残りの3種類のいずれかのステータスが表示されます。

情報収集が不十分
情報収集期間中であることを意味しています。加えて(後で解説しますが)情報収集期間を終えるために必要なCV数が得られていない状態を意味しています。そのため、この表示が出ている場合はCV数を増やすための対策を講じる必要があります。

情報収集中
こちらも情報収集期間中であることを意味しています。しかし「情報収集が不十分」とは違い、情報収集期間を終えるために必要なCV数が十分に得られている状態を意味しています。したがって、設定を変更せずに一定期間経過することで情報収集期間が終了し最適化された状態で配信することができます。

アクティブ
情報収集期間が終了した状態です。言い換えると機械学習が最適化されており、本領が発揮されている状態となっています。

以上4種類の配信ステータスについてご説明させていただきました。

運用している広告セットが「アクティブ」になっているのか、もしくは「情報収集が不十分」の状態となっているのか確認していただき、この後解説するポイントを踏まえた修正を検討してみて下さい!

3.情報収集期間終了の目安

では、情報収集期間はどのような基準で終了するのでしょうか?

答えは広告セットで週に50件のコンバージョンイベントを獲得するというものになっています。実際の運用の場面ではこれよりも少ない件数でも情報収集期間が終了するケースもありますが、こちらがMeta社の公表する基準となっています。

先程の配信ステータスに則って言い換えると
・情報収集が不十分:週に50件のコンバージョンイベントが計測されていない状態
・情報収集中:週に50件のコンバージョンイベントが計測されている状態
ということになります。

それでは、週に50件のコンバージョンイベントが計測できない状態の時どのような対策を取れば良いでしょうか。

4.情報収集期間を終了させるための打ち手

情報収集期間を終了させるための方法としては

①予算を増額する
②オーディエンスの規模を広げる
③コンバージョンイベントを変更する

の3つがあります。

①予算を増額する
週に50件のコンバージョンイベントを獲得するのに必要な予算を設定するという方法です。

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北澤

例えば、日予算3,000円で配信していて週に10件のコンバージョンイベントを獲得している場合は、理論的には5倍の日予算15,000円に設定することで週に50件を達成することができます。(実際の運用では予算を引き上げることでクリック単価も上昇しやすいためここまでシンプルではありませんが)

ある程度予算が潤沢にあるのであればこちらの方法を検討していると良いでしょう。

②オーディエンスの規模を広げる
オーディエンスの規模を大きくすることで広告セットの情報収集期間の終了に必要な数のコンバージョンを獲得できる可能性が高くなります。ターゲティングを絞っているような場合はこちらの方法を検討してみましょう。

③コンバージョンイベントを変更する
コンバージョンイベントの発生回数が週に50回未満の場合は、発生頻度のより高いイベントへの変更を検討しましょう。

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北澤

例えば「購入」イベントの発生回数が週に50回未満なら、代わりに手前の「カートに追加」イベントをコンバージョンイベントに設定します。そうすることで基準となる週50件を達成することができる可能性が高まります。

予算の増額やオーディエンスの規模をこれ以上広げられない、というときに検討すると良いでしょう。

ちなみにコンバージョンイベントは一度確定すると後から変更ができないため、今回の方法を取る場合は新たな広告セットの作成が必須となりますので、その点はご注意ください。

以上3つの方法をご紹介させていただきました。「情報収集が不十分」と出ている場合はいずれかの方法を検討してみてください。

5.情報収集期間をスムーズに終了するためのポイント

週50件という基準を達成したとしても、情報収集期間を長引かせてしまうNGな行動をとっていると、いつまでたっても情報収集期間が終わらない、ということになりかねません。そのため、情報収集期間をスムーズに終了するためのポイントも合わせて理解しておく必要があります。

情報収集期間をスムーズに終えるためには

①頻繁に編集しない
②広告セットを増やしすぎない
③コンバージョン数が限られるような設定を避ける

の3つがポイントとなります。

①頻繁に編集しない
設定の変更は、広告セットの情報収集期間の終了を妨げる主な要因となっています。機械学習はキャンペーン、広告セット、広告に一定の編集を行うと、情報収集期間がリセットされるような仕様になっています。情報収集期間がリセットされる編集には次のようなものがあります。

【キャンペーン】
予算(金額による)、入札金額(金額による)、入札戦略

【広告セット】
ターゲット設定、配置、最適化イベント、新しいクリエイティブの追加、入札戦略、入札金額(金額による)、予算(金額による)、7日以上の停止

【広告】
すべての変更

情報収集期間が終了するまでは極力広告セットや広告を編集しないようにします。万が一、複数の編集を行う場合は、リセットが一度で済むようにまとめて編集しましょう。

②広告セットを増やしすぎない
広告セットの数が多いと、それぞれの広告セットが配信できるボリュームが少なくなるため、パフォーマンスの最適化が完了するために多くの予算が必要となってしまいます。広告セットをある程度まとめることで必要なコンバージョンイベントの件数を計測することが容易になります。広告セットは極力減らして運用しましょう。

③コンバージョン数が限られるような設定を避ける
前述しましたが「予算が少ない」「ターゲティングが狭い」「週50件のコンバージョンが発生しにくいポイントを設定している」というものがこれに該当します。「情報収集期間をスムーズに終了するためのポイント」で解説した内容を心がけるようにしましょう。

6.その他重要ポイント

ここまでの設定を踏まえて運用していただければ最適化された状態で運用ができるようになりますが、ぜひ押さえておいてほしい追加のポイントがあります。それが「情報収集期間そのものを避けようとしない」というものです。

情報収集期間そのものを避けようとしない
前述した通り、情報収集期間の終了を遅らせるような不用意な編集は避けるべきですが、情報収集期間そのものを避けようとすることはあまりおすすめできません。例えば、アクティブの状態から再び情報収集期間に入ってしまうことを嫌ってクリエイティブの変更をせずに同じもので配信をし続けたらどうなるでしょうか?きっとパフォーマンスは悪化する一方だと思います。

長期的にパフォーマンスを向上させるには、新しいクリエイティブやターゲティングをテストすることが欠かせません。

したがって、情報収集期間に入る形になったとしても、必要な設定が発生している場合は極力複数の設定をまとめて実行するように心がけましょう

7.まとめ

情報収集期間とMeta広告の機械学習の仕組みについて解説しました。情報収集期間に対する認識が甘く「運用が安定しない」というお困りの声を良く聞きますので、今回解説した内容を踏まえてスムーズに最適化できるようにコントロールしていってください。

【参考】
・情報収集期間に関するガイド:リンク
・情報収集期間について:リンク
・大幅な編集と情報収集期間:リンク

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北澤陽介

都市銀行での営業、社会保険労務士法人での中小企業のコンサルティングの経験を経てSTAR株式会社に入社。現在は年間約1億円規模のGoogle・Yahooリスティング広告やMeta広告などSNS広告の運用に携わる傍ら、WEB広告のインハウス化支援サービスの事業責任者も務める。

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