目次
第一部 成果の出るランディングページに改善するためには?
現在のランディングページ(以下LP)から成果の出るLPに生まれ変わらせるためには、
①現状の課題を把握する
②改善策(打ち手)を検討する
③打ち手をLPに実装・反映する
④効果検証を繰り返す
といった4つのステップを高速で回していく必要があります。
その中でも特に重要になるのが「①現状の課題を把握する」というステップです。このステップは大きくわけて2つの観点で分析を行う必要があります。
それは、
・自社サイトのパフォーマンスはどうか?(絶対評価)
・他社サイトとの比較においてどうか?(相対評価)
という2つの観点です。
「課題の把握」というと自社のLPに目が向きがちですが、それと同じくらいに(もしくはそれ以上に)競合他社のサイトをチェックして、比較分析することが重要です。この絶対評価と相対評価の両輪を回すことで初めて成果の出るLPに生まれ変わるということです。
今回の記事ではランディングページの改善(LPO)における競合調査のやり方とポイントについて解説いたします!
(LPOの全体の流れについて解説した記事もありますので、合わせてご覧ください。)
第二部 競合分析の手順
多くのユーザーは自社サイトだけでなく、必ずと言って良いほど競合他社との比較検討を経た上で、コンバージョンに至っています。したがって、比較検討中のユーザーの目線に立って競合他社のサイトを分析することが大切です。
競合分析は、
①検索エンジンで検索してどのような競合がいるのかを把握する
②競合をグルーピングして「真の競合」を見つける
③「真の競合」となるサイトを深堀りして分析する
といった3つの手順で実施します。
第三部 検索エンジンで検索してどのような競合がいるのかを把握する
GoogleやYahooといった検索エンジンで実際に検索を行い、検索結果に表示されているサイトを上から順番にチェックしてリストアップしていきます。ユーザーのなかには検索結果を上から順番に見ているケースも多く、ユーザーの立場に立って競合サイトを眺めることが大切です。
ここでポイントとなるのが、
・検索キーワードを決める
・網羅的にリストアップする
・複数の検索エンジン&PCとスマホの両方で調べる
という3点です。
・検索キーワードを決める
検索キーワードによって検索結果は大きく変わってしまうため、まずはどのキーワードで検索するかを検討します。Google検索広告やYahoo検索広告を行っているのであれば、そのデータを参考にすると有効です。
獲得を目的としているLPであれば、比較的表示回数が多く獲得に結びつきやすいキーワード、サイトのアクセスを目的としているLPであれば、表示回数やクリック数の多いキーワードなどが適切です。
また、検索広告を行っていない場合でもそのLPが「どんな検索語句で表示させたいか」といった意図があると思いますので、その意図に最も合致した検索語句を使います。
要は、競合調査の効果を最大限引き出すためには、思いつきではなくデータや予測に基づく語句を使って検索する必要がある、ということです。
・網羅的にリストアップする
競合分析を行う上で「網羅性」と「深度」の2つのポイントを意識すると、効果的な分析を行うことができます。最初の段階では「網羅性」を意識して、マーケットに存在する競合を漏れなくリストアップすることで、自社のサービスや商材がマーケットの中でどのような立ち位置なのかを認識できます。
リストアップはEXCELやスプレッドシートといった表計算ツールを活用して1枚のシートにまとめていきます。
(例)リストアップした表
項目は「会社名」「URL」「広告文やタイトルなど検索結果に表示されているテキスト」「ファーストビューのスクリーンショット」「LPの訴求軸」「商品やサービスの価格帯」「サービスの種類」「特徴」などを洗い出していくと良いかと思います。詳細な分析をする必要はなく、現段階では広く浅く情報を集めることに重きをおき、なるべく多く(最低でも10社~20社)の競合サイトをリストアップしてください。
・複数の検索エンジン&PCとスマホで調べる
同じ検索語句でも検索エンジンによって検索結果は異なります。代表的な検索エンジンであるGoogleとYahooの両方で検索を行い、リストアップすると良いでしょう。
また、デバイスによっても表示される検索結果が異なります。なぜなら、今だとスマホだけ(もしくはPCだけ)に広告を出稿している広告主も少なくないからです。
大まかな流れとしては、
PCのGoogleの検索結果1ページ目→PCのYahooの検索結果1ページ目→スマホのGoogleの検索結果1ページ目→スマホのYahooの検索結果1ページ目
という形で検索するだけでも、延べ40サイト以上をリストアップすることが可能です。
(例)検索エンジンやデバイスによる検索結果の違いのイメージ
このように検索エンジンやデバイスで全く違った検索結果となることも珍しくありませんので、横断的に調べてリストアップすることを心がけて下さい。
第四部 競合をグルーピングして「真の競合」を見つける
一つ一つの競合サイトがどのような訴求軸で、どのような見せ方をしているのかを理解することで、マーケットの傾向を掴むことができます。とはいえ、数ある競合サイトを全て深堀りしていくのでは時間も労力もかかりすぎてしまいます。
そこで、リストアップした競合サイトの中から、本当にベンチマークとすべきサイトを絞り込む必要があります。
具体的には「自社と近い訴求をしている競合=真の競合」を見つけていきます。真の競合を見つける上で有効なのが「訴求軸をマトリックスにして可視化する」という方法が有効です。
(例)訴求軸のマトリックス
例えば、上記のように縦軸が料金、横軸がスピード、といったように訴求軸をマトリックスにすることで、自社と近い訴求をしている競合他社を見つけることができます。
そして、そのなかで最もうまく訴求できているサイトを真の競合としてベンチマークにします。
第五部「真の競合」となるサイトを深堀りして分析する
「真の競合」となるサイトを見つけることができたら、それらのサイトを深堀りしていきます。この深堀りの分析をする際には以下の2つのステップを踏むと効率的です。
・競合サイトの要素を抽出し、良いところを発見する
・競合サイトと自社サイトを見比べて改善点を見つけ出す
順を追って説明します。
・競合サイトの要素を抽出し、良いところを発見する
まず、EXCELやスプレッドシートといった表計算のソフトなどを使って自社サイトと競合サイトの検討項目を書き出していきます。
項目は「会社名」「サイトURL」「サービス名」「広告文やタイトルなど検索結果に表示されているテキスト」「ファーストビューのキャッチコピー」「サービスの種類」「料金・価格帯」「強み」「LPの構成・コンテンツ」「LPのコンテンツ数」「キャンペーン」「問い合わせ方法」などがありますが、商品やサービスに応じて臨機応変に項目を追加するようにしてください。
(例)競合分析シート
また、サイトのスクリーンショットを並べることで気付きを得ることが出来る場合も少なくありません。ファーストビューの画面のスクリーンショットや、LP全体のスクリーンショットを並べてどのような違いがあるかを見比べます。
LP全体のスクリーンショットを取る場合は、例えばFireShot(URL)のようなサービスを利用すると便利です。
(例)LPのスクリーンショットを並べたシート
これらのシートが出来上がったら、次にサイトの要素を一つ一つ抽出していきます。
抽出の作業は「サイト全体」「フォーストビュー」「悩み訴求セクション」「強み訴求セクション」などに分割して行うと有効です。各セクションで主に注目すべきポイントは以下の項目です。
■サイト全体■
・ぱっと見でどのような印象を抱いたか?
・サイトの完成度は高いか低いか?(シンプルに見やすいかどうか?)
・デザインは何色を基調としているか?
・デザインは男性的か女性的か?
・コンテンツの数や長さはどうか?
・サイト全体の文字数はどうか?
・写真やイラストはどのくらい使われているか?
・目を引く独創的なコンテンツはないか?
■フォーストビュー■
・どのような写真、イラストが使用されているか?
(人物が写っていれば男性か女性か、年齢は何歳くらいか、背景はどうかなど)
・メインキャッチでは何を訴求しているか?
・メインキャッチ以外のテキストでは何を訴求しているか?
・キャンペーンやオファーは記載されているか?
・どのようなCTAボタンが用意されているか?
・その他気になるところはないか?
(テキストが小さく見にくい、デザインにメリハリがない、などパッと見の印象など)
■悩み訴求セクション■
・どのような悩みを掲載しているか?
・悩み訴求セクションの締めくくりのフレーズはどのようなものか?
・写真やイラストはどのようなものが使われているか?
・その他気になるところはないか?
(テキストが小さく見にくい、デザインにメリハリがない、などパッと見の印象など)
■強み訴求セクション■
・何個の強みを打ち出しているか?
・どのような強みを打ち出しているか?
・写真やイラストはどのようなものが使われているか?
・その他気になるところはないか?
(テキストが小さく見にくい、デザインにメリハリがない、などパッと見の印象など)
■キャンペーン■
・どのようなオファーか?(価格割引or無料特典etc…)
・写真やイラストはどのようなものが使われているか?
・どのようなデザインか?(色やフォント)
・その他気になるところはないか?
(テキストが小さく見にくい、デザインにメリハリがない、などパッと見の印象など)
といった要素を詳細に分析していくと良いかと思います。
(例)ファーストビューの要素分析
例えば上記のようなファーストビューであれば、
①40~50代の男性&背景は街中の写真を使用
②メインキャッチでは自社サービスの特徴とベネフィトを記載
③メインキャッチの下にサービス名を記載
④その他の特徴を白地と黒文字で表現
⑤右上にLINE友だち追加のフローティングCTAボタンがある
といったように、要素を書き出すことができます。
加えて、ファーストビューはPCとスマホで見え方が大きく異なる場合があるので、両方をスクリーンショットして並べて分析すると良いでしょう。
(例)PC版とスマホ版の表示の見え方の違い
・競合サイトと自社サイトを見比べて改善点を見つけ出す
競合サイトの要素を抽出したら次に自社サイトを見比べて改善点を探し出します。比較する際には「セクション比較」と「要素比較」の2軸で分析すると効果的です。
■セクション比較■
名前のとおり、自社サイトと他社サイトのセクション(コンテンツ)を比較することで改善点を見つける方法です。
自社サイトと他社サイトのセクションをそれぞれ書き出し横並びにして、LP全体のストーリーを比較します。こうすることで自社の足りないコンテンツや逆に不要なコンテンツがなにか、というヒントを得ることができます。
(例)セクション比較した表
上の例のように、項目を書き出すだけでなく「CTAボタンがどの位置に設置されているか」も記載します。そうすることでCTAボタンの配置場所・配置数が適切かどうかの判断ができます。
また、項目の数も重要な指標になります。競合他社よりも項目が多い場合はコンテンツを削った方が良いかもしれませんし、逆に項目が少ない場合はコンテンツを増やしたほうが良いかもしれません。
「相対的に自社サイトがどのように見られているのか」というユーザー目線に立ち、LPに盛り込む情報量をコントロールする必要があります。
こうすることで、自社サイトをマクロ的な視点で冷静に分析することができます。
■要素比較■
各セクションの要素を比較して改善のヒントを探る方法です。前述した「①競合サイトの要素を抽出し、良いところを発見する」のなかで抽出した要素を自社サイトと比較することで改善点を明らかにします。
(例)強み訴求セクションを要素比較した表
上記の図のように要素を並列にすることで見比べながら分析します。
これまで競合と同じ訴求内容だと思っていたセクションも、実は自社サイトのセクションには要素が足りていなかったり、逆に余計な情報が入っていたりしたせいで、競合サイトの方が訴求力が高かったという結論に至ることも多々あります。
ただ単にサイトを眺めているだけでは気付けなかった改善点を見つけることができますので、手間はかかりますが実践することをおすすめします。
第六部 LPOのための競合分析まとめ
LPOにおける競合調査のやり方とポイントについて解説しました。
冒頭でも触れていますが、LPOをするための課題を見つけるためには
・自社サイトのパフォーマンスはどうか?(絶対評価)
・他社サイトとの比較においてどうか?(相対評価)
という2つの視点が欠かせません。
それなのにも関わらず自社のLPのヒートマップデータやGoogleアナリティクスのデータ分析のみで終始してしまっている方が非常に多いと感じています。
今回説明させてもらったような丁寧な分析を行うことで、本質的な改善点が見えてくることも珍しくありません。
LPOをする際には今回説明した競合他社の分析方法を参考にしていただき、改善点の発見に努めてください。
STAR株式会社のLP制作サービスのご案内
最後になりますが、弊社STAR株式会社ではLP制作サービスを行っています。弊社は制作会社ではなく、WEBマーケティング会社ですので、LPやバナーを制作することをゴールとするのではなく、その先の目標・KPIの達成をゴールとしています。
LP制作と広告運用の会社を分けている企業をよくお見かけいたしますが弊社ではそれは推奨していません。なぜなら最前線で広告を運用している会社の方が日々の運用の中でエンドユーザーのニーズを敏感に感じ取っており、どのようなLPでどのような訴求の方が当たりそうかを把握しているからです。
・LP(ランディングページ)やバナーのクォリティも自信あり
いくら広告運用を綺麗に行っていても、LP(ランディングページ)やバナーが整っていなければ成果を上げることはできませんし、その逆も然りです。弊社では広告運用だけではなく、効果的なLP(ランディングページ)の制作も請け負っております。
LPに関しては作って終わりではなく、ヒートマップツールなどを使って改善改良を行っていくことも必要になってきます。弊社では広告運用代行を依頼いただいているクライアントには無料でヒートマップツールを設置させていただいております。
■制作実績■
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