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【Google広告】データドリブンアトリビューション(DDA)とは…詳細なコンバージョン分析が可能に

Googleで、過去のデータに基づいて貢献度を割り当てる「データドリブンアトリビューション」が使用可能になりました。
今までは「30日以内にコンバージョンが300件、3,000回以上のインタラクションが必要」でしたが、今回のアップデートから推奨設定として誰でも使えるようになっています。
今回は、その「データドリブンアトリビューション」について説明していきたいと思います。

1.アトリビューションとは

1-1.業界での意味

あまり聞きなれない方もいると思うので、まずは「アトリビューション」について説明していきたいと思います。マーケティング業界で使用される言葉で、ユーザーがプロダクトやサービスにコンバージョン(問い合わせや購入、予約など)した時のプロセスに割り振られる貢献度のことです。ユーザーは検索結果やSNS・各種広告などを様々なメディアを経てコンバージョンに至ります。どのような経路でコンバージョンに至ったのか、その情報を正当に評価し、分析するための考え方です。
アトリビューションを測定して分析することを、アトリビューション分析といいます。

1-2.Google広告において

意味としては変わりませんが、測定としてはGoogle広告の中だけで完結します。「どのキーワードで検索したのか」「どのバナーや動画を見たのか」「どの広告をクリックしたのか」で貢献度が割り当てられるので、どの広告との接点が一番効果的だったのか分析できるようになります。自動学習にも使用されるので、アトリビューションを上手く活用することで効果的に広告配信ができるようになります。

1-3.どのように貢献度を割り当てるのか

貢献度の割り当て方法は、「アトリビューションモデル」と呼ばれており、Google広告では6種類あります。本記事ではその1つの「データドリブンアトリビューション」について説明するため、その他のモデルについては下記の記事を参照ください。わかりやすくまとめています。
参考:Google検索広告の正しい設定とは アカウントの構造を見直そう Vol.3

2.データドリブンについて

2-1.意味と定義

データドリブンも同じくマーケティング用語で、ビッグデータを基に分析した結果を活用し、ビジネスの課題解決や意思決定を行い価値向上につなげるための手法を指します。様々な情報を自由に取得できる現代において、ユーザーの行動や価値観はどんどん複雑になっています。そのため、今までの経験や勘だけで判断するのではなく、客観的なデータの集積や分析を行うことが必要になってきています。ビジネスを成功させるための大切な考え方の1つといえるでしょう。

2-2.具体的なステップ

データドリブンを実現させるには、大きく分けて4つのステップがあります。

①データの収集

まず、データを収集する必要があります。しかし、データと一口に言っても膨大に存在し、種類も様々であるので無作為に集めていては時間もかかりますし無駄なデータまで集めかねません。
集めたデータで何をしたいのか、目的を明確にして取り組む必要があります。

②データの見える化

データを収集しただけでは活用しているとは言えません。集めたデータを目的に合わせて分析しやすいようにまとめる必要があります。
Web広告のレポートであればExcelであってもまとめることは可能ですが、いわゆるビッグデータを分析する場合には手動では時間がかかりすぎます。
そこで、データを加工したり集計したりしてくれるBIツールを導入・活用し、手早く正確なデータ分析を行うことが求められます。

③データの分析

わかりやすくなったデータを基に、課題を解決するために分析を行うのが次のステップです。数字の良し悪しだけを判断するのではなく、グラフなどを用いて関連性などを導き出すことも必要です。

④意思決定とアクション

最後に、分析した結果をもとに、課題解決のための具体的な施策や方法などを決めます。先述したようにユーザーの行動なども分析を行うので、より効果的なアクションをとることが可能になります。

3.「データドリブンアトリビューション(以下、DDA)」とは

3-1.「DDA」はGoogleの造語

本題の「DDA」ですが、すなわち「データドリブン」と「アトリビューション」が合体した言葉で、先述した通りGoogle広告で設定可能な「アトリビューションモデル」の一種です。データドリブンを本格的に分析しマーケティングに活かそうとすると膨大な費用と時間がかかりますが、Google広告の中だけで使用するならどうでしょうか。少しハードルが下がったのではないでしょうか。
コンバージョンのアトリビューションモデルを「データドリブン」に設定すると、そのコンバージョンがついたときに、キーワードやバナー、広告文、キャンペーンに対して、貢献度の高さを判断し割り振ってくれるようになります。他のアドリビューションモデルでは割り振られる割合が決められており、正確な貢献度は確認できません。

●例えば…冷蔵庫の購入を検討している人の場合

キーワード「冷蔵庫 20L」で検索している人が様々な冷蔵庫をみて、ある程度欲しいものを絞ります。「メーカーA 冷蔵庫」や「メーカーB 冷蔵庫」で検索し、メーカーのページでデザインや機能を吟味し、解体冷蔵庫を具体的にしていきます。比較サイトを参考にすることもあるかもしれません。各メーカーのサイトや家電の通販サイトを訪れているうちにリターゲティングでバナーが表示されるようになり、最終的に「メーカーA」の冷蔵庫を買った場合、メーカーAが「冷蔵庫 20L」「メーカーA 冷蔵庫」「メーカーB 冷蔵庫」「リターゲティングバナー」で自社の接点をこのユーザーに持たせていたなら、この4つの接点に対して貢献度が割り当てられることになります。

3-2.どのようなアルゴリズムが割り当てられているのか

広告からコンバージョンまでの「時間」「フォーマット タイプ」「デバイス タイプ」「その他のクエリシグナル」などの機能を使用して、この貢献度を計算しています。
コンバージョンに至ったユーザーと至っていないユーザーの行動も加味され、その広告の存在や露出のタイミングがどのように影響するのかも分析・評価されています。つまり、コンバージョンした直前のキーワードが「メーカーA 冷蔵庫」だからと言って、貢献度がそのキーワードに多く割り振られるわけではないということです。
詳しくは、下記のGoogleのヘルプページから、「Data-driven attribution methodology」というリンクをクリックし、PDFをダウンロードしてご確認ください。
※英語なので、日本語訳してご使用ください。
参考:データドリブン アトリビューションについて

3-3.DDAを利用するメリット

①実際に成果の高い広告文やキーワードがわかりやすくなる

他のアトリビューションモデルではどうしても割合が決められてしまっているので、本当にユーザーの決め手になったのかわかりません。DDAでは先述したようにあらゆるシグナルを使用して貢献度を割り振るので、推測に頼ることなく、より効果的な分析がしやすくなります

②デバイスがまたがっても評価ができる

ユーザーはスマホもPCも持っている人がほとんどかと思います。DDAを使用すれば、デバイスがまたがったとしても正確に貢献度を割り振れるので、今後のマーケティングのアクションに有用に働くでしょう。

③入札単価調整もより洗練される

入札調整の基本は、「いいところに配信を寄せて、悪いところに配信はしない」ことです。あらゆるアルゴリズムで貢献度が割り振られることになるので、より効果のいいポイントが浮彫になります。入札が最適化されれば配信の無駄も少なくなるでしょう。

3-4.DDAの設定方法

Google広告管理画面の右上にあるスパナのマーク「ツールと設定」をクリックし、続けて「コンバージョン」を押下します。
次に、アトリビューションモデルを変更したいコンバージョン設定をクリックし、設定画面に遷移します。
画面下部の「設定を編集」をクリックし、「アトリビューションモデル」の画面を開くとモデルが変更できるようになっているので、推奨の「データドリブン」を選んで保存すれば完了です。

3-5.DDAの注意点

現在、よく使用される広告媒体でアトリビューションモデルを変更できるのは、Google広告だけです。YahooやFacebookでは使用できません。そのため、例えばGoogleで評価がよかったキーワードやバナーを参考にそのまま転用したいとなっても、その判断には疑問の余地が残ります。一方で、Googleアナリティクスでは「データドリブン」が使用可能ですので、YahooやFacebookはそちらを活用すると似たようなことができるようになります。

4.最後に。経験則だけに頼らなくてよくなったけど…

「データドリブン」や「アトリビューション」の考え方や機能を活かすことで、根拠のあるマーケティング施策が検討できるようになりました。ビッグデータを活用するBIツールも増えてきているので、より取り組みやすくなったと思います。Google広告ではだれでもDAAを使用できるようになったので、最適化もしやすくなるでしょう。
ただ、そればかりにとらわれて経験則や現場の話をおざなりにしてしまっては結局どこかで躓いてしまうような気がします。実際に広告やSNSを見ているユーザーとは、人であり感情があるので、データ通りにいくことはないのではないでしょうか。データも経験則もバランスよく使ってマーケティングを行うことが、良い施策を打ち出すことにつながると思います。

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松村和門

パッケージ印刷会社の営業、広告写真スタジオのレタッチャーを経てWebマーケティングのharunohiに入社。リスティング広告をメインに運用。

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