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mugenから次のステップへ…Google広告の新しい手法「BBC」

はじめに

Googleは今まで、「hagakure」「GORIN」「mugen」と、Google広告における手法を提唱してきました。「hagakure」ではGoogle広告の基本的なアカウント設計、「GORIN」ではユーザーに必要な情報を適切なタイミングで届けることを提唱し、「mugen」で最適化を維持しながら新しいユーザーにリーチを広げるという指針を打ち出しました。そして、現在Googleが推進し始めているのが「BBC」という手法です。「mugen」の時よりも、更に獲得効率のいいキーワードを発見し新規顧客の獲得を狙うものとされています。

BBCの概要

「BBC」とは「予算(Budget)」「入札(Bidding)」「カバー率(Coverage)」の頭文字を取った造語です。「Googleが推進し始めている」とは言いましたが、コンセプトそのものは昔からあるものです。簡単に説明すると、①適切な計測と広告の構成・設定を行い、②最小限に損失率を抑えて「予算」を増やし③スマート自動「入札」の導入でパフォーマンスを向上させ、④インプレッションやコンバージョン数を増やして、さらなる顧客獲得につなげることが目的です。
①~③はすでに「mugen」にいたるまでに設定しているアカウントもあると思いますので、この記事では「カバー率(Coverage)」にあたる④について説明していきたいと思います。

カバー率とユーザーの検索クエリ(語句)

カバー率とは、「どれだけ網羅されているか」を表す言葉です。検索広告においては、「ユーザーが検索する様々なクエリに対して、どこまで広告を配信出来ているか」ということになります。誰もがスマートフォンを使う時代になり、ユーザーも日々色々な言葉で検索するようになりました。どこにユーザーのニーズが潜んでいるのか、すべて把握するのは簡単ではなく、実際にキーワードをすべて設定しようとすれば大変な作業になることは間違いありません。そこで登場するのが、「部分一致」というマッチタイプです。「フレーズ一致」や「完全一致」よりも多くのクエリに対して広告を表示させることができます。
※各マッチタイプの詳しい説明に関しては、該当記事を参照してください。

進化した部分一致

今まで、部分一致の使用は多くの場合避けられてきました。あまりにも拾ってくるクエリが広く、関連性・親和性の低いものにまで広告を配信することが多かったため、ユーザーやクライアントの意向に沿わない配信になると考えられていたためです。そのお世辞にも使いやすいとは言えない「部分一致」を、数年かけてGoogleのシグナルやデータをマッチング技術に組み入れ、関連性とパフォーマンスを向上させることで進化させたのです。主に、下記の部分が改良されています。

a.ランディングページの内容を活用
b.ユーザーの所在地や、最近行った検索結果も活用
c.関連性に関する品質のしきい値を更新し、親和性の高いクエリで広告が表示されやすくなった

この特性は、他のマッチタイプにはない「部分一致」だけの特性なので、「部分一致」のキーワードを入れることに大きな意味が出てくることになりました。
また、自動学習と組み合わせることでGoogleの機械学習を最大限利用することができることもメリットに挙げられます。

「BBC」と部分一致の注意点

「進化した」とはいえ、使用するには注意が必要です。そもそも、この「部分一致」を最大限活用しカバー率を向上させるには、「2.BBCの概要」で説明した、①~③の条件をすべて満たしている必要があります。「部分一致」というマッチタイプのメリットは、「キーワードを作成する手間の削減」「成果に結びつくクエリに入札する」「リーチの拡大」などが挙げられますが、「そもそも予算が少ない」「自動入札が導入できる状況ではない」などといった状況で導入しても、メリットが裏目に出るだけで無駄に広告費と手間をかけてしまう可能性がまだまだあります。「絞り込み部分一致」がなくなったことでリーチが不足していると感じてしまっても、「部分一致」についてはまだまだ慎重に考えたほうがいいでしょう。
「BBC」は「mugen」の設計を終えたアカウントが、更なる潜在層にアプローチして新規ユーザーの獲得を目指すための指標です。「hagakure」もできていない状態で今回紹介した方法を導入しても、恐らくうまくいかない場合がほとんどだと思います。

Googleだけではなく、Yahooやほかの広告媒体も日々進化していっています。その技術や特性をちゃんと理解し、どのようにそれらを導入・提案すればいいのかを考えることが、クライアントの利益を伸ばす上で一番大切なことだと思います。

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松村和門

パッケージ印刷会社の営業、広告写真スタジオのレタッチャーを経てWebマーケティングのharunohiに入社。リスティング広告をメインに運用。

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