目次
「hagakure構造」を理解したなら
キーワードの役割と考え方
例えば、BtoCでコーヒー豆の販売を行っている「harunohi珈琲」というお店のリスティング広告を下記の条件で行うことになった場合で考えてみましょう。
条件②:コンバージョンポイントは購入完了
◆獲得率が高く、検索ボリュームは少ないキーワード
いわゆる「指名キーワード」と呼ばれるものです。この場合、「harunohi珈琲」という店名を含めて検索しているユーザーは、リピーターなどの購入意欲の強い顕在層がほとんどなので、獲得率は一番高いキーワードになります。
しかし、店名で検索するユーザーは限られているので、検索ボリュームとしても少ない傾向にあります。それでも、登録しておくことで顕在層の呼び込みも強くなるほか、自社の社名を競合他社がキーワードとして使用した際の予防策にもなりますので、特に競合他社が多い業界の場合は登録しておく方がいいでしょう。
◆獲得率も検索ボリュームも平均的なキーワード
「コーヒー豆 通販」で検索しているユーザーは、「コーヒー豆を買いたい人」であることがほとんどです。ただし、「harunohi珈琲」で買うと決めているユーザーではなく、どこのショップで買おうか比較検討しているユーザーが大多数を占めます。自然と「harunohi珈琲」のキーワードより獲得率は下がってしまいますが、より多くのユーザーに広告を表示させることができます。また、ユーザーの検索する目的に沿ったキーワードですので、非指名キーワードの中では獲得率は高い傾向にあります。指名キーワードだけでは検索ボリュームは少ないので、ここに位置するキーワードも登録することが一般的です。
◆獲得率は低いが、検索ボリュームは多いキーワード
それでは、単なる「コーヒー」や「コーヒー豆」で調べているユーザーはどうでしょうか。
このキーワードで検索しているユーザーの中にもコーヒー豆を買いたくて調べているユーザーもいますが、コーヒーを今飲みたくてカフェを探しているユーザーや有名企業のコーヒー豆について調べているユーザーも含まれてしまいます。コーヒー豆を今必要としていないがコーヒーに興味を持っているユーザーが調べているのがこれらのキーワードです。
獲得率は一番低くなりますが、潜在層にまで広告表示ができるポテンシャルを持っており、新規顧客の獲得やブランドの認知などに役立てることが可能です。ただし、入札をうまく調整したり、うまくキーワードを組み合わせないと費用対効果は悪化するばかりなので、このキーワードを登録する場合は注意が必要です。
◆補足
今回は「コーヒー」を題材としましたが、業種が何であれこの考え方は基本的に変わることはありません。下図は、上記の内容をわかりやすくしたものですのでご参考ください。
キーワードのマッチタイプとは
キーワードの基本的な考え方は今のでわかっていただけたかと思います。次は、マッチタイプについて考えてみましょう。マッチタイプとは、登録したキーワードに対して、広告掲載の条件を決める設定のことです。検索広告のマッチタイプは「部分一致」「絞り込み部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の4種類あります。
◆部分一致
このマッチタイプで登録すると、登録したキーワードだけではなく類義語や関連する語句でも広告が表示されるようになります。
例1:「靴」で登録した場合、「シューズ」「スニーカー」「革靴」「レインブーツ」などで広告が表示されるようになります。「マラソン」「サッカー」だけで検索された場合は表示されません。
例2:「大阪」で登録した場合、「天王寺」「浪速区」「堺」などで広告が表示されるようになります。「神戸」「奈良」など、大阪に属しないエリアで検索されたときは表示されません。
メリット:思いがけない検索語句で広告が配信されるので、キーワードを考える工数が減り、潜在層へのアピールにつながります。
デメリット:ユーザーの意図や要望からは乖離したキーワードで広告が配信される場合があるので、確度の低いユーザーが多くなり、無駄な広告費が発生する可能性があります。また、不要なキーワードを除外する際も工数が増えてしまいます。
◆絞り込み部分一致
キーワードの頭に半角で「+」をつけることにより、部分一致よりも限定して広告を配信することができます。下記の例のように、登録したキーワードがユーザーの検索語句に含まれていれば前後や間にどんな言葉が入っていても、語順も問わず広告が配信されるのが特徴です。
例:「+靴 +なんば」で登録した場合、「なんばの靴屋」「なんば 革靴」「なんば 靴 メンズ」などで広告が表示されるようになります。しかし、「京都の靴屋」や「なんば ソックス」などで検索された場合は表示されません。
メリット:まず、ユーザーの意図や要望に沿う形で広告を配信することができます。また、前述の「部分一致」ほど除外に時間を割かなくてよく、後述の「フレーズ一致」よりも配信の拡張性が高いので、導入することで運用と管理がかなりやり易くなります。最後に紹介する「完全一致」と合わせて、最もキーワード登録で使用されるマッチタイプの1つです。
デメリット:「部分一致」の拡張性を切り取ったマッチタイプなので、ニーズを掘り起こすことは「部分一致」ほど向いておらず、広告運用者の想像の範囲内でしか広告を配信できません。
ただし、この「絞り込み部分一致」に関しては「部分一致」と組み合わせて使用することができ、うまく組み合わせることで拡張性をコントロールすることもできます。
◆フレーズ一致
◆完全一致
例:「[靴 なんば]」で登録した場合、「靴 なんば」「なんば 靴」などで広告が表示されるようになります。しかし、「スニーカー なんば」や「大阪 黒い靴」などで検索された場合は表示されません。
メリット:一番マッチ率が高い設定であり、ユーザーにピンポイントで広告を表示させることが可能になります。また、「なんば 靴」をすべてのマッチタイプで登録し、ユーザーが「なんば 靴」と検索した場合には「完全一致」が優先されますので、競合他社のことも考えると獲得率の高いキーワードは「完全一致」での登録を必ず行った方がいいでしょう。
デメリット:拡張性はほぼありません。ピンポイントに当てられる分、費用も抑えることはできますが同時に表示される回数は少なくなります。そのため、キーワード構成は、「絞り込み部分一致」と「完全一致」の2種類で基本的に設定し、拡張性と確実性の両面を担保する手法がメジャーです。
◆補足
理解できたら実際に考えてみよう
例えば、冒頭のように「コーヒー豆の通販サイト」の広告を出したいとき、キーワードを構成する流れとしては下記のようになります。
例:「コーヒー豆」「ドリップコーヒー」など
クライアントにとって適切な設定を