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Google検索広告の正しい設定とは アカウントの構造を見直そう Vol.1
~hagakure構造編~

はじめに

「アカウント」とは、リスティング広告やディスプレイ広告において、すべての情報を管理する一番上の単位です。このアカウントの中に「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」「広告文」といった要素が含まれています。
Googleは、2013年には「hagakure構造」、2016年には「GORIN」、2019年に「mugen」と、アカウントの設計に関する概念や方法を提唱してきました。今回は、「GORIN」や「mugen」を設計する上でベースとなる「hagakure構造」について説明したいと思います。
今、実際にリスティング広告を運用している方や、代理店に依頼しているけど自分でも運用を勉強したい方の力になれば幸いです。

 一番初めのアカウント構造について

Google広告自体は2013年よりも前にサービスが始まっています。では、「hagakure」が登場するまではどのようなアカウントの構造だったのでしょうか。主流となっていたのは「1広告グループ/1キーワード」というアカウント構造でした。

■メリット

①    登録したキーワードに合わせて広告文を設定できる。
(広告文は広告グループごとに設定するため)
②    上記の設定をすることにより「推定クリック率」が上がり、品質スコアが向上する。
③    入札などの細かい調整がしやすい。

■デメリット

①    必要なデータ(表示回数やコンバージョン数など)が分散し、キャンペーンや広告グループごとに集まりにくい。
②    キャンペーンや広告グループが増えるので、運用の工数や手間が増える。
③    仮説検証にも時間がかかってしまう。
④    広告グループ同士で入札が競合しあう可能性がある。
当時は機械学習の精度も低く、自動入札機能もありましたがうまく働かないことが多かったため、このような設定が主流となっていました。

「hagakure構造」の登場

この「最初の構造」と全く逆の構造が「hagakure」です。キーワードをなるべく1つの広告グループに集約し、シンプルなアカウント構造にすることを推奨し始めました。技術は進歩し、Googleでも機械学習と自動入札の精度があがってきたため、手間も少なくデータも集まりやすいアカウント構造として「hagakure」が提唱されたのです。

■構造の特徴

「hagakure」の特徴は下記のとおりです。
①    必要なデータが集まりやすくなり、広告が正確に評価され、広告の品質の向上につながる。
②    管理する工数や手間が削減され、PDCAも素早く回せるようになる。
③    機械学習や自動入札機能が活用しやすい。

■具体的な構造

キーワードを1つの広告グループに集約する構造であるとはいえ、無作為に詰め込んで構成すればいいというわけではありません。作ったキーワードがたくさんあるのであれば、ある程度テーマを分類して広告グループを作成した方がいいでしょう。それぞれの広告グループに適した広告文を作成でき、キーワードの管理も行いやすいためです。
予算やビジネスの中身によって蓄積されるデータ量も変わりますので、実際にはクライアント(もしくは自社)の状況に合わせてキャンペーンや広告グループの構成を考えましょう。

■その他、分ける基準について

キーワードのカテゴライズ以外でも、分けなければいけない場合あるのでご紹介いたします。
①    キャンペーン
・配信する予算
・配信する地域
・配信するスケジュール
・広告配信の目標(コンバージョン、クリック単価など)
・自動入札を使い分けたい場合
・上記の内容を性別や年齢で変更する場合
②    広告グループ
・ URLのドメインが違う場合
・キーワードや広告文を性別や年齢で変更する場合

■アカウントが「hagakure構造」にできたあとは…

「hagakure」にできたからといって、これで何もしなくていいというわけではありません。これはアカウントを設定する上で基礎中の基礎、土台となるものです。これから「GORIN」や「mugen」に発展させていくために、広告文や広告表示オプションの適切な設定なども行っていかなければいけません。
「hagakure」はあくまで広告配信のスタート地点です。

まとめ

「hagakure」の基本的な説明に関しては以上になります。自分が運用しているアカウントや、自社のアカウントの設定は現在どのような状態でしょうか。
運用し始めから「GORIN」や「mugen」を適用しても費用がかさんでいくだけです。いくらGoogleから推奨されている設定とはいっても、広告として結果につながらなければ意味がありません。
まずはしっかりと「hagakure」でアカウント構成を行い、クライアントの状況や要望、実際の広告の成果に合わせて最適な運用をしていきましょう。また、広告の構造や運用だけではなく、ランディングページの中身に着目したり競合調査をしたりするなど、別の角度から分析することも必要です。
構造自体に正解はなく、クライアントに利益をもたらす広告の運用が正解です。
弊社では、無料で広告のアカウント解析も行っています。もし今の設定の良し悪しを判断できなければ、お気軽にご相談ください。
次回は「GORIN」や「mugen」、その他広告の要素についても執筆していきたいと思います。
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