目次
はじめに
Apple(アップル)が2024年6月のWWDC(世界開発者会議)で発表した「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」は、iPhoneやiPad、Macに搭載される次世代AI技術として大きな注目を集めています。
この記事では、Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)を実際に使い始めるための基本情報や、各デバイス別の設定方法、活用のコツについて詳しく解説します。最新のAppleデバイスを持っている方はもちろん、これから購入を検討している方も、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)とは

Apple Intelligence on a screen smartphone iPhone closeup. Apple Intelligence is an artificial intelligence platform developed by Apple Inc. Batumi, Georgia – September 30, 2024
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)は、Appleが開発した独自のAIプラットフォームです。
最大の特徴は、iphoneやipad、MacBookなど、普段使用しているAppleデバイスを使って簡単に、AI機能を使えるようになったという点です。また、プライバシーを最優先にしながら高度なAI機能を実現するのも「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」の特徴と言えるでしょう。
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)を利用するには、対応デバイスと最新OSが必要です。次のセクションでは、具体的な導入方法と各デバイスでの設定手順を見ていきましょう。
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)の導入方法
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)を使い始めるには、対応デバイスの確認とOSアップデート、そして初期設定が必要です。以下の手順に従って設定していきましょう。
対応デバイスの確認
まずは、お使いのデバイスがApple Intelligence(アップルインテリジェンス)に対応しているか確認しましょう。
- iPhone: iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max以降(A17 Pro以降のチップ搭載モデル)
- iPad: M1以降のチップを搭載したiPad Pro、iPad Air
- Mac: Apple Silicon搭載モデル(M1以降のチップ)
OSのアップデート
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)を利用するには、以下の最新OSが必要です。
- iOS 18以降
- iPadOS 18以降
- macOS 15 Sequoia以降
アップデート方法:
- iPhoneとiPadの場合:「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」
- Macの場合:Appleメニュー → 「システム設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)の初期設定
OSのアップデート後、Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)の機能を有効にする必要があります。
- 「設定」アプリを開く
- 「Apple Intelligence & Siri」をタップ
- 「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」を有効にする
- プライバシーに関する確認画面が表示されるので、内容を確認して「続ける」をタップ
- 各機能の詳細設定を必要に応じて調整する
これでApple Intelligence(アップルインテリジェンス)の基本機能が利用可能になります。
デバイス別の主要機能と使い方
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)の機能はデバイスごとに少しずつ異なります。ここでは、iPhone、iPad、Mac別に主要な機能と具体的な使い方を解説します。
iPhoneでの主な機能と使い方
1. ライティングツールの活用方法
設定方法:
- メールやメッセージアプリを開く
- テキスト入力欄で文章を入力し始める
- 画面上部に表示される提案をタップして採用する
活用例:
- ビジネスメールの作成時に「プロフェッショナル」なトーンに変換
- 長文メッセージを短く要約
- 誤字脱字の自動修正と文法チェック
2. 写真アプリでのインテリジェント検索
使い方:
- 写真アプリを開く
- 検索バーをタップ
- 「海辺での夕日の写真」「去年の京都旅行」など、自然な言葉で検索
活用例:
- 大量の写真データの中から特定の写真を探す
3. Siriの強化機能の活用
設定方法:
- 「設定」→「Apple Intelligence & Siri」→「Siriの使い方」
- 必要に応じて「”Hey Siri”で起動」を有効にする
活用例:
- 「この会話の要約を作って」と依頼
- 「先週のミーティングのメモを教えて」と依頼
- 「明日の予定と天気をまとめて教えて」と依頼
4. 通話録音と文字起こし
設定方法:
- 「設定」→「電話」→「通話録音と文字起こし」を開く
- 「通話録音を有効にする」をオンにする
- 利用規約と注意事項を確認し、「同意する」をタップ
実際の使用方法:
- 電話アプリで通話中に「録音」ボタンをタップ
- 録音開始時に自動的に通話相手に録音の旨が通知されます
- 通話終了後、録音された会話は自動的に文字起こしされます
- 文字起こしされたテキストはメモアプリに保存され、通話内容の要約も自動生成されます
活用例:
- 電話会議の内容を自動的に記録
- 話から自動的にタスクやアクションアイテムを抽出し、リマインダーに追加
- 過去の通話内容をキーワードで検索可能

通話録音機能を使用する際は、各国・地域の法律や規制に従ってください。多くの地域では、録音の前に通話相手に通知し、同意を得ることが法的に義務付けられています。Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)は自動的に通知を行いますが、追加で口頭で確認することをお勧めします。
iPadでの主な機能と使い方
1. メモアプリでの活用
使い方:
- メモアプリを開く
- テキストを選択して右クリック(または長押し)
- 「書き直す」「要約する」などのオプションを選択
活用シーン:
- 講義ノートの自動整理と要点抽出
- 手書きメモのテキスト変換と編集
- アイデアのブレインストーミングと整理
2. Image Playground(画像生成)
使い方:
- Image Playgroundアプリを開く
- テキストプロンプトを入力
- 生成スタイルを選択して「生成」をタップ

実際に「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」の画像生成機能を使用してみましたが、現段階では他のAIの方が精度が高いと感じました。
Macでの主な機能と使い方
1. 文書処理でのアシスタント機能
使い方:
- Pages、Keynoteなどのアプリで文書を開く
- 編集したいテキストを選択して右クリック
- 「AIオプション」から適切な機能を選択
便利な機能:
- 長文を簡潔にまとめる
- 文章のトーンを変更する(カジュアル/フォーマル)
- 箇条書きからの詳細文章の自動生成
2. Finderでのインテリジェント検索
使い方:
- Finderを開く
- 検索バーに自然な言葉で検索クエリを入力
- 検索結果から目的のファイルを選択
検索例:
- 「先月作成したプレゼンテーション」
- 「Johnから送られたPDFファイル」
- 「予算に関する最新のスプレッドシート」
プライバシー設定とデータ管理
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)を使う上で重要なのが、プライバシー設定の理解と適切な管理です。
プライバシー設定の確認方法
- 「設定」アプリを開く
- 「プライバシーとセキュリティ」をタップ
- 「Apple Intelligence & Siri」を選択
- 各機能ごとのプライバシー設定を確認・調整
データ処理の種類と設定
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)では、処理方法によって3つのカテゴリーに分かれています。
- オンデバイス処理:デバイス内だけで完結する処理(基本的なテキスト提案、写真認識など)
– 設定方法:常に有効、データは外部に送信されない - Private Cloud Compute:暗号化されたクラウド環境で処理される機能(複雑な画像生成など)
– 設定方法:「設定」→「Apple Intelligence & Siri」→「Private Cloud Compute」で管理 - Webサービス連携:一部のWeb検索や外部サービスと連携する機能
– 設定方法:「設定」→「Apple Intelligence & Siri」→「Web検索と接続」で管理
機能別のプライバシー管理
特に注意が必要な機能とその管理方法
- 写真分析:「設定」→「写真」→「Apple Intelligence」で写真の分析レベルを調整できます
- メール分析:「設定」→「メール」→「インテリジェント機能」でメールの分析許可を管理
- 位置情報の利用:「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」でAIが位置情報を利用できるアプリを制限
データ削除の方法
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)が学習したパーソナルデータを削除する方法
- 「設定」→「Apple Intelligence & Siri」→「Apple Intelligenceデータ」
- 「データをリセット」をタップ
- 確認画面で「リセット」を選択
これにより、デバイス上のパーソナライズされた学習データがリセットされます。
アプリ別の使い方とコツ
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)は、様々なApple純正アプリと連携して機能します。ここでは、主要アプリでの便利な使い方を紹介します。
メッセージアプリでの便利な使い方
- スマートリプライ: メッセージを受信したとき、コンテキストに応じた返信候補が表示されます。適切な候補をタップするだけで返信できます。
- テキスト生成: 「〇〇について説明して」とSiriに依頼すると、その内容についての文章を生成し、メッセージとして送信準備してくれます。
- 予定の抽出: 「明日3時にカフェで会おう」などのメッセージを受信すると、自動的にカレンダーへの追加を提案してくれます。

メッセージアプリで「…」ボタンを長押しすると、AI機能の一覧が表示されます。
メールアプリでの便利な使い方
- メール要約: 長文メールの上部に「要約を表示」ボタンが表示されます。タップすると重要ポイントだけを抽出して表示します。
- 返信文生成: 「返信」ボタンを長押しすると、AIによる返信案を複数提示してくれます。
- 重要メールの識別: 緊急性の高いメールは通知バッジに特別なマークが付き、優先的に表示されます。

メール作成画面で文章を選択し、「書き直す」を選ぶと、同じ内容をより適切な表現に変換してくれます。作文ツールを使用し、フレンドリーやプロフェッショナルといった、文章のテイストを変更することも可能です。
写真アプリでの便利な使い方
- 自然言語検索: 検索バーに「海」「笑顔」「夕日」など、写真の内容を表す言葉を入力するだけで関連写真を表示します。
- 人物グルーピング: 同じ人物の写真を自動でグループ化し、「人物」タブで閲覧できます。
- 思い出のキュレーション: AIが意味のあるストーリーを持った写真コレクションを自動で作成します。

膨大な写真データの中から、キーワードをもとに写真を表示することができますが、精度はまだ少し低く、うまく表示されないこともあります。
メモアプリでの便利な使い方
- テキスト整形: 箇条書きメモを選択して「整形」を選ぶと、読みやすい文章に変換します。
- 内容要約: 長いメモの内容を選択して「要約」を選ぶと、重要なポイントだけが抽出されます。
- 関連情報の提案: メモの内容に応じて、関連するカレンダー予定やリマインダーを提案します。

メモアプリで画像を挿入した後、その画像を長押しすると「テキスト認識」オプションが表示され、画像内のテキストを抽出できます。
Safariでの便利な使い方
- ページ要約: ウェブページ上部の「要約」ボタンをタップすると、長い記事の要点をまとめて表示します。
- 関連コンテンツ提案: 記事を読み終えると、関連する他の記事やコンテンツを提案してくれます。
- 情報の検証: ニュース記事などを閲覧中に「情報を検証」オプションを選ぶと、複数の情報源から内容の信頼性を確認します。

Safariのアドレスバーに質問を入力すると、ウェブ検索結果と共にAIによる直接的な回答も表示されます。
トラブルシューティングと最適化のコツ
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)を使用していて問題が発生した場合や、より快適に使うためのコツを紹介します。
よくある問題と解決策
1. 機能が反応しない・遅い場合
問題: Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)の機能が反応しない、または極端に遅い
解決策:
- デバイスを再起動する
- 「設定」→「Apple Intelligence & Siri」→「Apple Intelligence」をオフにして再度オンにする
- バックグラウンドアプリを全て閉じて、メモリを解放する
- Wi-Fi接続を確認する(特にクラウド処理が必要な機能の場合)
2. バッテリー消費が早い
問題: Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)の利用でバッテリー消費が早くなった
解決策:
- 「設定」→「バッテリー」で消費の多いAI機能を確認
- 使用頻度の低いAI機能を一時的に無効化
- 「低電力モード」を活用(一部のAI機能は制限されます)
- 「設定」→「Apple Intelligence & Siri」→「オンデバイス処理を優先」を有効にする
3. プライバシー設定がリセットされる
問題: 設定したプライバシー設定が勝手に戻る
解決策:
- OSを最新バージョンにアップデート
- iCloudアカウントからサインアウトして再度サインイン
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「分析とデータ改善」をオフにする
パフォーマンス最適化のコツ
1. ストレージの確保
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)はローカル処理に十分なストレージ容量が必要です。少なくとも5GB以上の空き容量を確保しましょう。
- 「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」で空き容量を確認
- 不要なアプリやメディアを削除
- 写真をiCloudに最適化して保存
2. 学習精度を向上させる方法
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)は使い方を学習して精度が向上します。
- 有用な提案には積極的に反応する(採用する)
- 不要な提案は「×」で閉じる(これも学習情報になります)
- よく使う言い回しやフレーズを意識的に使用する
3. 通信環境の最適化
Private Cloud Compute機能を使用する場合は安定した通信環境が必要です。
- 可能な限り5GHz帯のWi-Fiを使用
- VPN接続時は一時的に解除してみる
- モバイル通信の場合は可能な限り5Gエリアで使用
言語設定とローカライズのコツ
- 日本語と英語を両方設定しておくと、より多くの機能を利用できる場合があります
– 「設定」→「Apple Intelligence & Siri」→「言語」で複数言語を追加 - キーボードに複数言語を追加しておくと、文脈に応じた言語での提案が可能になります
– 「設定」→「一般」→「キーボード」→「キーボード」から言語を追加
今後の開発予定と最新アップデート情報(2025年4月3日時点)
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)は継続的に開発が進められており、定期的なアップデートで新機能が追加されています。ここでは、Appleが公式に発表している今後の開発予定と最新のアップデート情報をお伝えします。
最新のアップデート情報(2025年4月3日時点)
現時点でのApple Intelligence(アップルインテリジェンス)の最新アップデートには以下の機能が含まれています:
- 日本語対応の拡充: 日本語での自然言語処理能力が向上し、より自然な会話と応答が可能になりました
- Writing Toolsの強化: より多様な文章スタイルとトーンの変換に対応
- Image Playground機能の向上: より高品質でクリエイティブな画像生成が可能に
- Siriとの連携強化: より複雑な指示や質問への対応が可能に
公式に発表されている開発予定(2025年4月3日時点)
Appleは以下の機能について、今後のアップデートで導入することを公式に発表しています:
- サードパーティアプリ対応の拡大: より多くのサードパーティアプリでApple Intelligence(アップルインテリジェンス) APIが利用可能になる予定
- 言語サポートの拡充: 更に多くの言語と方言への対応
- デバイス間での学習データの共有: iCloud経由でパーソナライズされた学習内容を複数のAppleデバイス間で安全に共有
アップデート方法
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)の最新機能を利用するには、常にOSを最新版に保つことが重要です:
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」で最新のアップデートを確認
- 可能な場合は「自動アップデート」をオンにしておくことをお勧めします
- ベータ版プログラムに参加すると、新機能をいち早く試すことができます(ただし不安定な場合があります)
まとめ
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)は、iPhoneやiPad、Macに新たな知能を吹き込む革新的なAI技術です。この記事では、導入方法から具体的な使い方、トラブルシューティングまで、Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)を活用するための情報を詳しく解説しました。
主なポイントをおさらいしましょう:
- 導入方法: 対応デバイス(iPhone 15 Pro以降、M1搭載iPad、Apple Silicon Mac)に最新OSをインストールし、初期設定を行うことで利用可能
- デバイス別の主要機能: 各デバイスに最適化された文章作成、写真検索、Siri強化などの機能を提供
- アプリ別の使い方: メッセージ、メール、写真、Safari、メモなど主要アプリでの具体的な活用方法
- プライバシー設定: デバイス上の処理とクラウド処理のバランスを取りながら、プライバシーを保護
- トラブルシューティング: 一般的な問題の解決方法とパフォーマンス最適化のコツ
Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)は、単なる機能追加ではなく、Appleデバイスの利用体験を根本から変えるポテンシャルを持っています。プライバシーを重視しながらも高度なAI機能を提供するというAppleならではのアプローチは、今後のAI技術の一つの方向性を示しています。
現時点では対応デバイスが限られていますが、今後のアップデートで機能の拡充や対応デバイスの拡大が期待されます。Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)を使いこなして、より効率的でパーソナライズされたデジタルライフを実現してください。
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