年々浸透してきている動画による広告。SNSでの動画に触れることも多くなってきましたが、YouTubeも忘れてはいけない広告媒体の1つですよね。
YouTubeを使用したGoogleの動画広告キャンペーンでは、SNSとは違って様々な動画フォーマットがあるのはご存知でしょうか。
今回は、動画キャンペーンの概要と、配信できる動画の種類について紹介していこうと思います。
目次
1.YouTubeの広告について
1.1.YouTubeに広告を配信する方法
よく、お客様から「YouTube広告をしたい」とお問い合わせをいただきますが、実はYouTubeに広告を配信する方法は複数存在します。
基本的に「動画だけ」で広告を配信したい場合は、「動画キャンペーン」というものを使用します。
動画の広告を配信するには下記の方法で配信することが可能で、広告代理店はお客様の現状や要望、ご予算に対して適切な提案をすることが求められます。
YouTubeに広告用の動画を配信する手法
①動画キャンペーンで配信する…一般的な方法。動画のみで配信したい場合に使用。本記事で説明。
②GDNのレスポンシブディスプレイ広告に動画アセットを追加する…YouTubeに掲載することが可能だが、GDNの機能の一部なので、細かい設定は不可能。
③P-MAXキャンペーンで動画アセットを追加する…②と同じで、機能の一部であるため細かい設定はできない。
④デマンドジェネレーションキャンペーンで動画アセットを追加する…②・③と同じで、機能の一部。こちらも細かい設定はできない。
1.2.動画キャンペーンとは
YouTubeおよびGoogle動画パートナー上の、ウェブサイトやアプリで配信される動画に広告を配信したいときに使用するメニューです。
自社のビジネスに興味関心があるユーザーや利用を検討しているユーザー、リピーターなどに動画を配信することで、問い合わせや購入につなげることができます。また、認知向けに配信することもでき、できる限り多くのユーザーに配信することも可能です。
1.3.動画キャンペーンのメリット・デメリット
メリット① 利用者数が多い
YouTubeの利用者は、令和5年時点で国内月間アクティブユーザー数が7,120万人と非常に多く、10~60代まで幅広い年齢層に利用されています。
また、縦型の再生時間が短い「YouTubeショート」も利用者数が年々増えてきています。
メリット② 視聴数やクリック数など、数字が計測できる
広告すべてに言えることではありますが、動画に対するアクションや成果を数字で確認することができるのは大きなメリットといえます。
テレビCMでは細かい数字まで計測することはできないで、大きな違いでもあります。
メリット③ ターゲットを絞ることができる
Googleディスプレイ広告と同じように、年齢や性別、地域、興味関心、リターゲティングなど、Google広告で利用できるターゲティングを使用できます。
また、YouTubeチャンネルとリンクさせることで、自社のチャンネルの視聴者や登録者に配信することも可能です。
デメリット① 動画制作にコストと労力がかかる
動画広告で効果を上げるためには、クオリティの高い動画を作る必要があります。ただ単に作るだけでは効果が見込めないどころかマイナスに働いてしまう場合もあるので、競合を含め色んな動画を調査して惹きつけられるものを制作しましょう。サイズなども考えて作れば、他のSNS広告でも使用できます。
また、Googleで動画の広告を配信する場合は、YouTubeチャンネルの開設も必要です。
デメリット② スキップされて伝わらない可能性がある。
YouTubeの広告は、5秒経過するとスキップできる仕様になっているため、動画の最初でみてもらえるように惹きつける必要があります。
※スキップされないフォーマットもありますが、コンバージョンを目標にする場合はスキップされるフォーマットでのみ配信が可能です。
2.広告フォーマットの種類
動画キャンペーンでは、様々なフォーマットで動画を配信することができ、そのフォーマットの種類によって動画の再生時間や設定できる自動入札、課金方法が異なります。
2.1.スキップ可能なインストリーム広告
出展:スキップ可能なインストリーム広告 (Google広告ヘルプ)
概要
スキップ可能なインストリーム広告は、YouTube および Google 動画パートナー上のウェブサイトやアプリで配信されている動画の前後、または途中に再生される動画広告です。再生開始から 5 秒が経過すると、ユーザーは広告をスキップすることができます。
仕様
サイズは、横向き(16:9 / 1,920 × 1,080 px)、縦向き(9:16 / 1,080 × 1,920 px)、スクエア(1:1 / 1,080 × 1,080 px)の3種類が推奨。
再生時間は3分未満にする必要があります。
使用できる入札戦略
①広告視聴単価(CPV):ユーザーが動画を30 秒間(30 秒未満の広告の場合は最後まで)視聴したか、30秒経つ前に動画を操作した場合に料金が発生します。
※「商品やブランドの比較検討」の目標で動画キャンペーンを作成した場合に使用できます。
②目標コンバージョン単価(目標CPA):設定した目標コンバージョン単価に基づいて、コンバージョンをできるだけ多く獲得できるように入札単価が調整されます。
※「販売促進」、「見込み顧客の獲得」、または「ウェブサイトのトラフィック」の目標で動画キャンペーンを作成した場合に使用できます。
③コンバージョン数の最大化:指定の予算を消化しつつ最大限のコンバージョン数が得られるよう、入札単価を自動設定します。
※「販売促進」、「見込み顧客の獲得」、または「ウェブサイトのトラフィック」の目標で動画キャンペーンを作成した場合に使用できます。
④目標インプレッション単価(tCPM):広告が 1,000 回表示されるごとに支払う平均金額を指定します。その後、できるだけ多くのユニークリーチを獲得できるように入札単価が最適化されます。
※目標インプレッション単価制は、「ブランド認知度とリーチ」または「商品やブランドの比較検討」([動画広告シーケンス] サブタイプを選択した場合のみ)の目標で動画キャンペーンを作成した場合に使用できます。
2.2.スキップ不可のインストリーム広告
出展:スキップ不可のインストリーム広告 (Google広告ヘルプ)
概要
スキップ不可のインストリーム広告は、別の動画の前後、または途中に再生される動画広告です。この広告をスキップすることはできません。スキップ不可のインストリーム広告の長さは最大 15 秒です。
この広告を使用する場合、コンバージョンでの最適化はできないのでご注意ください。
また、2024年より、「30 秒間のスキップ不可のインストリーム広告」も利用できるようになりました。
仕様
サイズは、横向き(16:9 / 1,920 × 1,080 px)、縦向き(9:16 / 1,080 × 1,920 px)、スクエア(1:1 / 1,080 × 1,080 px)の3種類が推奨。
再生時間は15秒以内にする必要があります。
使用できる入札戦略
①目標インプレッション単価(tCPM):広告が 1,000 回表示されるごとに支払う平均金額を指定します。その後、できるだけ多くのユニークリーチを獲得できるように入札単価が最適化されます。
※目標インプレッション単価制は、「ブランド認知度とリーチ」または「商品やブランドの比較検討」([動画広告シーケンス] サブタイプを選択した場合のみ)の目標で動画キャンペーンを作成した場合に使用できます。
2.3.インフィード動画広告
概要
インフィード動画広告では、ターゲット ユーザーが視聴する可能性の高い YouTube コンテンツの近くで広告主様のブランドや商品、サービスをアピールできます。
この広告はほかの広告と異なり、YouTube 検索結果・YouTube の「次のおすすめ」・YouTube アプリのホームフィードに表示されます。
ユーザーが関連動画の閲覧やコンテンツの検索を行ったときに広告を表示したり、関連性の高いコンテンツを積極的に視聴しているユーザーに情報を配信することができます。
仕様
サイズは、横向き(16:9 / 1,920 × 1,080 px)、スクエア(1:1 / 1,080 × 1,080 px)の2種類が推奨。
縦向き(9:16 / 1,080 × 1,920 px)も入稿は可能ですが、推奨ではありません。
再生時間は3分未満にする必要があります。
使用できる入札戦略
①広告視聴単価(CPV):ユーザーが動画のサムネイルをクリックまたはタップして動画広告を視聴した場合に料金が発生します。課金されるのは、ユーザーのブラウザや YouTube アプリに動画が正常に読み込まれたときです。
※「商品やブランドの比較検討」の目標で動画キャンペーンを作成した場合に使用できます。
2.4.バンパー広告
概要
バンパー広告は、短くて覚えやすいメッセージで幅広い視聴者にリーチするときに使用します。この広告の再生時間はたった「6秒」で、短くて印象に残るようなメッセージ性の強い動画で配信することが求められます。
また、コンバージョンでの最適化はできず、認知向けフォーマットであることも特徴の1つです。リーチ数や表示回数はほかのフォーマットと比べて伸びやすいので、できるだけコストを抑えて配信したい場合に有効的です。
仕様
サイズは、横向き(16:9 / 1,920 × 1,080 px)、縦向き(9:16 / 1,080 × 1,920 px)、スクエア(1:1 / 1,080 × 1,080 px)の3種類が推奨。
再生時間は6秒にする必要があります。
使用できる入札戦略
①目標インプレッション単価(tCPM):広告が 1,000 回表示されるごとに支払う平均金額を指定します。その後、できるだけ多くのユニークリーチを獲得できるように入札単価が最適化されます。
※目標インプレッション単価制は、「ブランド認知度とリーチ」または「商品やブランドの比較検討」([動画広告シーケンス] サブタイプを選択した場合のみ)の目標で動画キャンペーンを作成した場合に使用できます。
2.5.アウトストリーム広告と付随するコンテンツ
出展:アウトストリーム広告と付随するコンテンツ (Google広告ヘルプ)
概要
アウトストリーム広告は、Google動画パートナーのさまざまなプレースメントに表示されるモバイル専用の広告で、このフォーマットを選んだ場合はYouTubeには表示されません。
音声なしで再生が開始され、ユーザーがタップするとミュートが解除されます。
なるべく広告費を抑えたい場合に配信するのに最適です。
仕様
サイズに推奨はありませんが、横向きも縦向きも使用可能なので、横向き(16:9 / 1,920 × 1,080 px)、縦向き(9:16 / 1,080 × 1,920 px)、スクエア(1:1 / 1,080 × 1,080 px)の3種類を用意するといいでしょう。
再生時間も上限はありませんが、大体15~60秒にするのがおすすめとされています。
使用できる入札戦略
①目標コンバージョン単価(目標CPA):設定した目標コンバージョン単価に基づいて、コンバージョンをできるだけ多く獲得できるように入札単価が調整されます。
②視認範囲のインプレッション単価(vCPM):動画が 2 秒以上再生された場合にのみ料金が発生します。
※「販売促進」、「見込み顧客の獲得」、または「ウェブサイトのトラフィック」の目標で動画キャンペーンを作成した場合に使用できます。
2.6.マストヘッド広告
概要
マストヘッド広告は通常の配信とは違い、予約制で配信する広告です。YouTube ホームフィードの上部に表示され、目立ちやすいことが特徴です。
大幅なリーチ拡大や認知度の向上が図れるので、新商品やブランドの紹介などをしたいときに向いています。
仕様
ホームフィードの上部に表示されるので、横向き(16:9 / 1,920 × 1,080 px)の動画で配信されます。
動画の長さに制限はありませんが、自動再生されるのは最大 30 秒間で音声はでません。
動画またはサムネイルをクリックすると、その動画の YouTube 再生ページに移動します。
使用できる入札戦略
①インプレッション単価(CPM)マストヘッド: マストヘッドは予約制なので、インプレッション数はあらかじめ固定されており、設定するターゲティングなどで費用が変わります。
②時間単価(CPH)マストヘッド: CPMでは表示回数を買いますが、この方法では指定した時間帯に100%の広告シェアが約束されています。特定に時間に必ず表示したいという場合に有効です。
※いずれもGoogleに見積依頼が必要です。
3.そのほか、知っておきたいポイント
ここまで使用について紹介しましたが、そのほかにも細かいポイントがあります。
①YouTubeチャンネルが必要
最初にも触れましたが、チャンネルの開設は必要です。最近、アセットライブラリが更新されてチャンネルなしでも動画をYouTube上に投稿できるようになりましたが、動画に表示されるチャンネル名やアイコンをを編集できないので、結局チャンネルを作成することになります。
YouTubeチャンネルと広告をリンクさせれば、ターゲティングにも活用できますし、YouTube上のアナリティクスにも数字は反映されるので、YouTubeチャンネルはしっかり作成したほうがいいでしょう。
②「視聴数」をそのまま信じてはいけない
視聴数は一定時間ユーザーが広告を視聴した時にカウントされる指標ですが、言ってしまえばスキップしていないかどうかです。
FacebookやInstagram、TikTokと違って何か用事をしながらYouTubeを利用しているユーザーもいますので、本当に視聴した数ではないと考える方がいいでしょう。
参考:有料の視聴回数 (Google広告ヘルプ)
また、スキップできない動画の配信の場合は、「視聴数」は計測されず「表示回数」でカウントされます。
③「テレビ画面」という配信デバイスがある
最近はテレビにもアプリが導入され、テレビでもYouTubeを見ることができるようになっていますが、テレビ画面からそのままクリックしてLPやサイトを見ることはほとんどないと想定されています。
本当に配信するべきかどうかは十分に検討する必要があります。
4.最後に
弊社でも、SNSの動画広告で成果を上げている事例が出てきており、動画は広告配信においてますます切り離せないものになってくるかなと思います。その中でも、YouTubeの利用者数は多いので押さえておくべき媒体の1つでしょう。
配信するターゲティング、短い時間で伝わるメッセージ性、アクションを促す工夫など、色々求められることは多いですが、いい動画で成果が上がっている企業も出てきています。
悩んでいる方は、ぜひ1度動画の広告に挑戦してみてください。
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