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【初心者向け:基本編】Meta広告の自動ルール設定とは?特徴と設定方法を完全解説

始めに

Meta広告は機械学習が優秀な媒体として知られており、ある程度AIに委ねる形で運用されている方が多いと思います。しかし、配信し続けていると「平日だけ配信を行いたい」「土日の配信を強めたい」「深夜の時間帯は配信を弱めたい」といったような調整を実施したくなるケースもあると思います。

そうしたときに使えるのが「自動ルール」です。自動ルールとは、あらかじめ決めておいたルールに従って、キャンペーン、広告セット、広告の運用調整を自動的に行う機能です。

例えば「深夜帯だけ配信を止める」「特定の曜日だけ予算を減らす」「成果が目標に達したら予算を増やす」「広告の掲載が一定期間以上続いたら停止する」などといったルールを設定することができます。

本記事では、Meta広告の自動ルールについて、以下の内容を解説します。

自動ルールとは?
自動ルールのメリットとデメリット
自動ルールの5つのテンプレート
自動ルールの設定方法

本記事を読むことで、Meta広告の自動ルールを活用して、広告運用の効率化と改善を実現するための知識を身につけることができます。

ぜひ、最後までお読みください。

広告の自動ルールとは?

Meta広告の自動ルールとは、あらかじめ決めておいたルールに従って、キャンペーン、広告セット、広告の運用調整を自動的に行う機能です。Meta広告の「広告マネージャ」か「ルールの管理」の画面から自動ルールを作成することができます。キャンペーン、広告セット、広告を自動的にチェックして変更があった場合にアップデートしたり、通知したりできます。

パフォーマンスに合わせて広告に強弱をつけることができればベストですが、四六時中画面に張り付いて運用するのは現実的ではありません。自動ルールを設定することで、設定した条件が満たされたときに自動的に設定を変更することができるため、運用者の作業工数が削減できます。

自動ルールのメリットとデメリット

自動ルールを導入することで得られるメリットとデメリットを整理しました。

【メリット】

・広告運用者の負担を軽減できる
自動ルールを活用することで、広告運用者は、予算や入札価格の調整、広告のオン/オフなどの運用調整を行う手間を省くことができます。これにより、クリエイティブの改善に集中したり、他の業務に時間を割いたりすることができるようになります。

・人為的なミスを減らせる
広告運用は、予算や入札価格の調整など、細かい作業の積み重ねです。人為的なミスによって、予算を無駄にしてしまったり、成果を下げたりしてしまう可能性もあります。自動ルールを活用することで、人為的なミスを減らし、安定した運用を実現することができます。

・広告パフォーマンスを改善できる
自動ルールを活用することで、広告のパフォーマンスを改善することができます。例えば、クリック率が低い広告の予算を減らすことで、クリック率の高い広告に予算を集中させることができます。また、成果が目標に達した広告の予算を増やすことで、成果をさらに拡大することができます。

【デメリット】

・設定を間違えると意図しない挙動を引き起こしてしまう
自動ルールを活用するためには、ルールの条件やアクションを正しく理解して適切に設定する必要があります。ルールの設定を誤ると、意図しない挙動を招き、損失が生じる可能性があります。そのため、ルールの設定には十分に注意する必要があります。

・ルールに依存しすぎると、柔軟な運用が難しくなる
自動ルールは、あらかじめ決めておいたルールに従って運用調整を行うため、状況に応じた柔軟な運用が難しくなる場合があります。そのため、自動ルールを活用する際には、ルールの条件やアクションを定期的に確認し、必要に応じて調整を行う必要があります。また、予期せぬエラーで設定通りの配信が行われない事象が発生しているため、設定内容によってはキャンペーンをこまめにチェックする必要があります。

自動ルールは、広告運用の効率化と改善に役立つ便利な機能ですが、メリットとデメリットを理解した上で活用することが大切です。

自動ルールの5つのテンプレート

Meta広告の自動ルールは、以下の5つのテンプレートが用意されます。

①カスタムルール
②Advantage+クリエイティブを有効にする
③オークションの重複を減らす
④広告クリエイティブを最適化
⑤オーディエンスの断片化を減らす

それぞれの機能を理解して活用することでパフォーマンスの改善に役立てることができます。
一つ一つ解説しています。

【カスタムルール】

カスタムルールは、広告主が自由に条件やアクションを設定できるルールです。
例えば、以下のルールを設定することができます。

・クリック率が一定値を下回ったら、予算を減らす
・成果が目標に達したら、予算を増やす
・広告の掲載が一定期間以上続いたら停止する

カスタムルールは、広告のパフォーマンスを改善するために、最も柔軟に活用できるルールです。
しかし、ルールの設定が難しいため設定方法をしっかりと理解して慎重に検討する必要があります。
設定方法については次の章で詳しく解説します。

【Advantage+クリエイティブを有効にする】

Advantage+ クリエイティブとは、広告の複数のバリエーションを自動で作成し、それぞれの利用者が最も反応しそうなものを予測して、オリジナルな表現方法で広告を表示する機能になります。このルールをオンにすることで、広告クリエイティブを最適化し、パフォーマンスを向上させるために、標準エンハンスと音楽をオンにします。この機能を使うことで広告主がクリエイティブの作成や最適化にかける手間を省くことができます。

【オークションの重複を減らす】

同一の広告が、同じオークションで重複して入札されるのは、無駄な広告費の発生につながります。オークションの重複を減らすルールを設定することで、同一の広告が同じオークションで重複して入札されるのを防ぐことができます。
このテンプレートを選択することで広告セットが競合する場合に[重複している広告セットをオフにして残りの広告セットの予算を増額する]、[重複する広告セットをオフにする]、[お知らせのみ送信]のいずれかのルールを作成できます。

【広告クリエイティブを最適化】

クリック率やコンバージョン率などの指標に基づいて、既存の広告クリエイティブを最適化することでパフォーマンスを改善することができます。広告クリエイティブを最適化するルールを設定することで、Metaの機械学習モデルが自動的に広告クリエイティブを最適化することができます。

【オーディエンスの断片化を減らす】

同じオーディエンスに重複して広告が表示されるのは、広告のパフォーマンスを低下させる可能性があります。オーディエンスの断片化を減らすルールを設定することで、同じオーディエンスに重複して広告が表示されるのを防ぐことができます。

具体的には、このテンプレートを使用すると、似たようなクリエイティブが設定されたオーディエンスが異なる複数の広告セットを結合することができます。これによってパフォーマンスの素早い最適化や、より有効な予算の活用がしやすくなります。

*補足:「Advantage+クリエイティブを有効にする」と「広告クリエイティブを最適化」の違いについて

「Advantage+クリエイティブを有効にする」は、Metaの機械学習モデルが自動生成した広告クリエイティブを自動的に新規で追加するテンプレートです。一方、「広告クリエイティブを最適化」は、既存の広告クリエイティブを自動的に最適化するテンプレートです。

使い分けの方法としては、広告クリエイティブの作成や最適化にかける手間を省きたい場合は、「Advantage+クリエイティブを有効にする」を利用するとよいでしょう。その一方で、既存の広告のパフォーマンスを改善したい場合は、「広告クリエイティブを最適化」を利用するとよいでしょう。

自動ルールの設定方法

それでは自動ルールの設定方法を解説します。

1. 広告マネージャを開きます。

2. ルールを適用するキャンペーン、広告セット、広告の横にあるボックスにチェックを入れます。

3. 次に、 [ルール]ドロップダウンを選択して、[新しいルールを作成]を選択します。

4.テンプレートを選択して「次へ」をクリックします。(今回は設定が難しい「カスタムルール」について解説します)

5. [ルール名]と[ルールの適用先]のキャンペーンまたは広告セットを選択します。

6. [アクション]ドロップダウンで、キャンペーン、広告セット、広告がルール条件を満たしたらルールで何を実行するかを選択します。なお、ルールの適用先によって選択できるアクションが変動します。
*ルールの適用先がキャンペーンの場合

*ルールの適用先が広告セットの場合

*ルールの適用先が広告の場合

7.ルールが発動する条件を選択し[追加]を選択します。
例えば、消化金額を条件とする場合は以下のように設定します。

追加ボタンを押すことで条件を確定します。条件を追加するには、[+]を選択します。

8.[期間]と[スケジュール]を調整できます。
[期間]とはルールの適用対象となるデータの抽出期間のことで、[スケジュール]とはルールをチェックする頻度です。

まず、[期間]についてですが、例えばクリック率が一定値を下回ったら、予算を減らすルールを設定する場合、期間を「過去30日間」に設定すると、過去30日間のクリック率が一定値を下回った場合に、ルールが適用されます。このように条件を適用するデータの抽出期間を決めるのが[期間]の設定です。

次に、[スケジュール]についてですが、ルールの適用対象となる曜日や時間を指定するための設定です。「継続的」「毎日」「カスタム」の3種類から選択できます。例えば、クリック率が一定値を下回ったら、予算を減らすルールを設定する場合、「継続的」を選択すると30~60分の頻度でルールを適用します。「毎日」を選択すると、毎日AM12時にルールが適用されます。「カスタム」に設定すると、ルールを適用する曜日と時間帯を設定することができます。

9.受け取りたい[お知らせ]のタイプを確定します。
ルールに関しては製品内でお知らせが届くようになっていますが、メールも受け取りたい場合は[メール]を選択します。また [フォロワー]を追加すると、それらの利用者にお知らせが届きます。この機能は、複数の人が広告アカウントを管理している場合に便利です。

10.作成をクリックして設定を確定します。

11.「ルールの管理」画面で設定したルールを確認します。

ルール⇒ルールの管理を選択

ルールの管理、で正しく設定されているかを確認します。プレビューのボタンを押すと、適用される予定のキャンペーン・広告セット・広告の情報を確認することができます。「▼」を押すと自動ルールの編集・実行・削除ができます。

12.ルールが適用されるかをモニタリングします。

ルール設定が想定している通りの挙動となっているかをしっかりとモニタリングしましょう。条件が間違っていると思わぬ事故に繋がりかねないので注意が必要です。

以上が設定の流れになります。
カスタムルールは設定が難しく想定する挙動にならないこともあるため、最初はMetaのサポートに確認を取りながら設定することを強くおすすめします。

なお、「時間帯別にキャンペーンのオンオフをしたい」「平日の配信を強めたい」といった実務で活かせる自動ルールの設定方法については、近日中に応用編のブログを執筆しますので、乞うご期待!

まとめ

自動ルールの概要と設定方法について解説させていただきました。
一見すると難しそうな機能ですが使いこなすことができれば非常に便利な上、作業工数の削減にも役立てることができるためMeta広告の運用者であれば必ず押させておいておきたい機能です。今回のブログを参考に自動ルールの設定を行いパフォーマンス改善に役立ていただければと思います。

【参考】
・ヘルプ:自動ルールを作成する
・ヘルプ:自動ルールのアクションについて
・ヘルプ:自動ルールの条件について
・ヘルプ:Advantage+ クリエイティブの標準エンハンスを使用して広告を作成する
・ヘルプ:広告セットの統合のしくみ

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北澤陽介

都市銀行での営業、社会保険労務士法人での中小企業のコンサルティングの経験を経てSTAR株式会社に入社。現在は年間約1億円規模のGoogle・Yahooリスティング広告やMeta広告などSNS広告の運用に携わる傍ら、WEB広告のインハウス化支援サービスの事業責任者も務める。

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